海運造船合理化審議会内航部会答申 海運造船合理化審議会内航部会答申(平成7年6月5日)
−今後の内航海運対策について−




〔おわりに〕

 我が国経済社会を巡る環境は、経済のボーダーレス化に伴う国際競争の激化等の中で大きく変化しており、産業界全体に対して市場原理と自己責任原則に基づく経営の確立が強く求められているところである。本答申は、こうした状況を踏まえ、国民経済と深い関係にある内航海運の課題とその解決に向けた諸対策を示したものであり、今後、内航海運が経済社会環境の変化に対応しつつ、21世紀に向けてより活力と魅力のある産業へと発展していく上で是非とも必要なものであると考える。特に、今回の当審議会の最大の懸案であった船腹調整制度の見直しについては、委員各位の大局的な見地からの審議により、モーダルシフト対象船種を速やかに船腹調整事業の対象外とするとともに、内航海運業者による同事業への依存の計画的解消を図り市場原理の活用による業界の活性化を図ることで関係者の合意が得られたことは、極めて意義深いものである。それだけに今後、本答申で示した諸対策について、国、内航海運業者、荷主等の関係者が一体となってその着実な推進を図られることを強く期待するものである。  また、日本内航海運組合総連合会等に対しては、これまでの船腹調整事業中心の活動から構造改善対策、船員確保対策等へと活動の多様化を図るとともに、荷主との定期協議機関の積極的活用により両者の相互理解と懸案の建設的解決を図つていくことを強く要望する。
 なお、当審議会は、今後の社会経済情勢の変化をみながら、本答申において掲げた諸対策について必要に応じ意見を述べていくこととする。


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