用語解説 用語解説

需給調整規制
 国内旅客船事業を営もうとするときには、航路毎に免許又は許可を受ける必要があるが、その免許又は許可基準の一つとして、海上運送法に「当該事業の開始によって当該航路に係る全供給輸送力が全輸送需要に対し著しく供給過剰にならないこと。」と規定されている。この規定が需給調整規制であり、航路毎の輸送需要に対して供給輸送力が過大とならないようにすることにより、複数の事業者間による過当競争の結果としての旅客サービスの低下等を防止し、快適かつ良質な旅客サービスを安定的に供給して利用者利便を確保することを目的とするもの
クリームスキミング
 「牛乳から美味しいクリームだけをすくい取ること」より転じて、ある分野のうち利潤の多い部分にのみ参入すること
海上運送法第32条(運送秩序に関する勧告)
 定期航路事業者と他の船舶運航事業者との間に貨物の運送について過度の競争を生じ、又は生ずるおそれがある場合において、その競争が定期航路事業の健全な発達を阻害するおそれがあると認めるときは、当事者に対して競争の停止又は防止のため必要な措置をとるべきことを勧告することができるとする規定
運航管理規程
 輸送の安全を確保するため一般旅客船事業者及び従業員が遵守すべき事項を定めたものであり、具体的には、船舶の運航に関する責任者(運航管理者)の選任、船舶の運航の管理の組織並びに実施の基準(運航計画、運航中止基準、旅客の乗下船の際の安全確保のための作業方法等)及び手続きに関する事項等を定め、運輸大臣に届け出ることとされている
海上タクシー
 主に旅客定員12人以下の船舶により旅客運送を行う事業の通称
RORO船(Roll-On Roll-Off 船)
 主に貨物運送に用いられる、トレーラーシャーシや商品車を自走により積み卸しする荷役方式の船舶
補助金の標準化方式
 離島航路整備費補助金の交付にあたって、経営効率化を促すため、離島航路の標準的な賃率や経費単価に基づき算定する標準化した欠損額を交付する方式
貨物フェリー
 昭和30年代後半に自動車航送(フェリー)輸送が急速に進展した際に、一般旅客定期航路事業による自動車航送の健全な発達に影響を与えることが懸念されたため、昭和40年に、貨物定期航路事業のうち自動車航送を行うものを自動車航送貨物定期航路事業(通称「貨物フェリー」)として、海上運送法上新たな事業類型を設けて需給調整規制の対象としたもの
 一般旅客定期航路事業(旅客フェリー)とともに、モーダルシフトの受皿として機能している。

(注)モーダルシフト
 幹線輸送をトラックから鉄道または内航・フェリーへ転換を行い、省エネ、環境保護、交通混雑の緩和を図るための政策


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