公共事業の効率的・効果的実施のため取り組むべき課題

(平成9年度に具体的に取り組む事項)



1 重点化等による投資の質の向上

 @ 横割りの政策課題に対応した分野への投資の重点化 

  ○ 次のような、より絞り込んだ横割りの政策テーマに対応した事業への投資の重点

   化を徹底

   ・高齢社会に対応した人にやさしいまちづくり

   ・高度情報化社会に対応した経済社会基盤の整備   等

  ○ 重点分野とそれ以外の分野についての予算配分状況を明確化

  ○ 重点分野については、分かりやすい政策目標を掲げるとともに、目標期間を明確

   化

 A 各事業分野ごとの重点分野の明確化と施策・機能別分類の導入 

  ○ 道路、河川、公園、下水道、住宅といった各事業分野ごとに投資の重点分野を明

   確化

  ○ 各事業予算の内容をより明確化するため、施策・機能別分類等の新たな資料を作

   成、公表

 B 施策・事業の総合化のための省庁間を横断する協議調整機関の設置

  ○ 各省庁を横断する協議調整機関(事務次官レベル)を設置することとし、各省庁に

   呼びかけ

  ○ 交通機関の相互連携による総合的交通体系の整備等個別テーマごとに協議調整体

   制を整備(局長・課長レベル)

 C 所管横断型共同プロジェクト予算のとりまとめ・公表

  ○ 省庁横断的に取り組むべき政策テーマに対応した予算を、所管横断型共同プロジ

   ェクト予算として、各省庁縦割りの予算とは別途にとりまとめて、各省共同で要求

   し、公表

 D 事業箇所の重点化と早期完成の促進

  ○ 各事業ごとの事業箇所を絞り込むとともに、主要事業ごとに目標期間を明示

  ○ 事業遅延要因となっている文化財調査について実態と解決方策を検討

  ○ 河川の主要な水系、道路の主要路線等について事業実施状況を公表

 E 国が関与して整備すべき分野の明確化と補助採択基準の切り上げ等

  ○ 各事業分野ごとに国が関与して整備すべき範囲を明確化

  ○ これに従い補助採択基準を切り上げ、補助対象の限定化等を行い、概算要求に盛

   り込む

 F 民間部門の活用の促進

  ○ 不動産共同特定事業を始めとする各種事業について制度改正等を検討

  ○ 再開発の業務代行方式、デザインビルド方式、BOT方式等新たな事業方式につ

   いて検討

 G 公共事業の投資効果に関する指標の研究

  ○ 米国における研究成果等を踏まえて住宅・社会資本整備による生産・生活に対す

   る効果を定量的に表す指標づくりのための研究に着手

2 建設コスト縮減など事業の効率化

 @ 建設コスト縮減効果の公表と新たなシステムづくりの推進

  ○ アクションプログラムに基づくコスト縮減対策を推進するとともに、その成果を

   公表

  ○ 地方公共団体に対してコスト縮減対策の実施を指導

  ○ CALSの活用等コスト縮減のための新たなシステムを検討。また、VE制度の

   公団事業等についての試行を含め制度導入の問題点の検討

 A ライフサイクルコストの検討

  ○ 維持・管理費用を含めたライフサイクルコストについて大規模事業を例として試

   算

  ○ ライフサイクルコストの縮減対策について研究を推進

 B 類似事業間調整の推進

  ○ 都道府県単位の計画、担当部局間さらには省庁横断的な協議調整の場を通じた調

   整の推進

  ○ 地域レベルの計画段階での調整を充実するため新たな計画を策定

 C 事業執行・採択方式の改善

  ○ 市街地整備における特定の課題に対応した各種事業について、基幹となる事業の

   担当部局が主体となって進捗調整等を行うパッケージアプローチ方式の導入

  ○ 面的な事業採択の推進等事業執行・採択の方式を改善

 D 既存ストックの有効活用

  ○ 下水処理場上部空間等の複合利用を推進するとともに、都市再開発等に関連し公

   共公益施設と住宅など施設の複合利用を推進

  ○ 河川空間をゆとり空間として活用する等施設の多目的利用を促進

 E GIS活用のための空間データ基盤の整備の推進

  ○ 国民生活の利便性向上、防災等の各種行政サービスの向上等にGISを活用する

   ため空間データ基盤の整備を推進

 F 融資、税制、規制(緩和)等の活用

  ○ 都市開発等の分野において、融資・税制・規制(緩和)等の施策を体系化し積極

   的に活用

  ○ 道路開発資金の積極的活用、河畔林の保全等のための税制・融資の活用

 G 建設技術研究開発への取組みの充実強化

  ○ 国における技術研究開発の充実

  ○ 公募型の研究開発方式や民間部門における技術開発インセンティブを付与する新

   たな制度の導入についての検討を推進

3 事業実施過程の透明化

 @ 費用効果分析の実施・公表

  ○ 新規採択に係る主要事業について費用効果分析を実施し、公表(8年度内に一部

   試行)

  ○ 道路事業の交通事故減少効果や治水事業の水辺のレクリエーション効果等新たな

   費用効果評価手法を開発

 A 事業採択基準の公表

  ○ 各事業分野ごとに事業採択基準を一層充実し、また、事業の優先順位の考え方を

   明確化

  ○ 採択基準に基づく適正な採択を行うとともに、効果・コスト等の住民等への説明

   を徹底

 B 事業実施各段階における情報提供の徹底

  ○ 道路の箇所採択、事業主体、工期等を明らかにした道路整備プログラムや治水事

   業の中期的なプログラムを明らかにした中期整備計画の作成・公表等により事業の

   全体像を公表

  ○ 道路整備に係るモニタリング制度の充実を始め事業実施に当たっての地域住民・

   利用者等の意見の反映に努力

  ○ 事業実施後における事後評価手法について検討

 C 大規模事業の再評価システムの定着

  ○ 再評価システムに基づく大規模事業の見直しを進めるとともに、見直しの成果を

   公表

 D 入札・契約制度改革の定着

  ○ 入札・契約制度改革の定着を図るとともに、入札に関連する情報の公表等につい

   て検討

  ○ 技術力や品質を競争内容に反映するような入札・契約方法について検討


    国土交通省ホームページ     国土交通政策ホームページ     中間報告要旨