「多様な主体間のパートナーシップの構築」の事例

事例4:中部のあすビジョンを提言(中部地方建設局)

 自治体首長へのアンケート、一般公募、シンポジウム等をもとに、中部の地域づくりの基本的な考え方を示す「中部のあすビジョン」を提言。提言では、社会資本整備の今日的な意義をまとめ、意義を踏まえた行動計画等をあげている。

1. 取組みの概要
(1)「中部のあすビジョン」提言の策定
  • 「中部のあす研究懇談会(中部地方建設局長の私的諮問機関)」が、「地域住民と双方向で検討」「中部独自の地に足のついた戦略づくり」「原則、情報公開」の3つの検討方針のもと検討を行った。
  • 懇願会での検討に加え、地域づくりの課題や方向性等について管内自治体首長376人へのアンケート、キャッチフレーズ等の一般からの公募、シンポジウム等を実施して、提言をとりまとめ。(平成9年3月)
  • 新たな時代に向けた中部の地域づくりの基本的考え方を示すものとして、関係機関、NPO等に呼びかけ、これを受けたテーマ別の行動計画CHUBU2005プラン、地域コミュニケーション大綱を策定、推進している。
(2)「中部のあすビジョン」提言の概要
  • 第1章「社会資本整備を取り巻く環境変化」、第2章「中部の特性と課題」、第3章「中部のあすの方向として、理念と基本方向の提示」、第4章「中部のあすを支える社会資本整備のあり方」から構成。
  • 社会資本整備のあり方としては、「国民的な社会文化活動」として展開していくことの重要性を指摘し、整備の視点として「住民と行政との新たなパートナーシップの下で新しい価値を創造していくこと」をあげ、「双方向コミュ ニケーションの推進」が今後の取り組むべき課題とされている。
  • 「人類、環境、世界経済への貢献、中部に求められる地域づくり」をテーマに「中部国際フォーラム」を開催。特別講演、分科会、在日外国人パネリストによる討議等を行い、「CHUBU世界宣言」を発表。


2. コミュニケーション型行政の観点からの良い点
  • 提言のとりまとめにあたって、アンケートや公募、シンポジウム等を組み合わせた総合的な手法で、一般の方、市町村長等多方面から意見・提案を集約している。
  • 多様な主体間のパートナーシップを高める双方向コミュニケーションを推進することとしている。
  • 社会資本整備についてその社会的な行為としての特性から捉え直し、その今日的な意義を関係者、国民が共有すべき行動規範としてまとめている。
  • その上で、広域的な地域づくりの視点と課題を体系化しているため、コミュニケーションの重要性等今後の行政の方向と将来像の指針の背景から明示できている。


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