「活動の基本方式」の事例

事例15:「コミュニケーションクラブ」主催の勉強会(建設省)

 建設本省補佐級が各局横断的に自主参加し、コミュニケーション型行政の創造に資する企業等の変革事例等種々の勉強会を開催しているもの。

1.取組みの概要
(1)今までの取組み経緯

 建設本省補佐級が各局横断的に自主参加する「コミュニケーションクラブ」において、企業等の変革事例等、各種勉強会等の開催、情報提供を行っている。

[勉強会の開催実績]
1「企業変革活動のポイント」(株)コンセプトワークショップ佐藤 修氏
2「変革期のリーダーシップ」(株)コビィ・リーダーシップ・ジャパンジェームス・スキナー氏
3「地方公共団体の行政改革」三重県秘書室長梅田 次郎氏
4「政府等の財政状況の評価」公認会計士岸 秀隆氏
5「自己責任とコミュニケーション型行政」朝日新聞編集委員山田 厚史氏

(3)勉強会での講演内容の一部紹介
・・・企業の変革事例の考え方が最近10年間ぐらいで大きく変わってきているということ。・・・10年程度前から企業文化という言葉が盛んに使われるようになってきた。・・・企業文化とは社風、企業風土と近い概念で、社員一人一人の意識であるということである。立派な戦略、見事な組織であっても、それを動かすのは人間である。・・・組織、戦略はトップダウンで変えられるが、企業文化つまり従業員の意識はなかなか変えられない。そこで出てきた考え方が「変える」から「変わる」という方向である。・・・一人一人の意識が変わっていくような状況を創ることが重要。・・・最近では、マイナス発想からプラス発想へと変革の軸が変わりつつある。問題を解決するのではなく、まずビジョンを作りそれに向けて良いところを伸ばすということが軸になってきている。・・・ボトムアップだけではあるところまで行くが、なかなか本当の事業、戦略、組織には大きな影響を与えるには限界がある。・・・ミドルが現場の声を踏まえてトップに対してきっちりと抵抗すると同時に、トップの持っているビジョンを的確に社員に伝えていく。考え方がトップダウン、ボトムアップではなくミドルを軸とした動きになっている。・・・第一線の現場の人達が顧客と接するところが大事であり、企業の将来を決める重要な要素がある。現場で顧客と接しているところを「真実の瞬間」と名づけている企業もある。・・・

色々な動きの中で共通して効果があった点を10点くらいにまとめる。
一つ目は、変革時にビジョン、方向性がきっちりと明確に出されていること。二つ目は、情報共有化ということ。三つ目は、自主性を重視するということ。四つめは、全者画一的にやるのではなく、それぞれの状況に合わせてプログラムを作り込んでいくということ。五つ目は、走りながら作り変えていく、育てていくということ。六つ目は、達成感ということ。七つ目は、評価の仕組みを埋め込んでおくことが必要ということ。八つ目は、外部で話題になるということが、取り組んでいる人の励みになったりプレッシャーになったりするということ。九つ目は、イベントなどをうまく活用していくということ。十番目は、言うまでもなくトップの支持ということ。

2.コミュニケーション型行政の観点からの良い点
  • コミュニケーション改革活動に賛同する補佐級の有志が積極的に活動を展開することにより、省内での取組みのコアを形成することができる。
  • コミュニケーションに関する勉強会を開催することで、新たな知識の修得や動機付けにつながる。
  • 講義して頂く各方面の講師に対して、建設省のコミュニケーション改革活動を理解してもらい、今後協力して頂くことが期待できる。


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