3.被害の最小化を基本とした危機管理防災型対策の徹底

<斜面カルテ>
 地元住民、ボランティア団体等の協力を得ながらがけ崩れ危険箇所を調査し、斜面に関する情報を時系列的に調査票に整理し、データ管理を行うことにより、亀裂や異常な湧水等がけ崩れ発生の前兆現象をいち早く把握し、斜面の崩壊による災害の未然防止や警戒避難体制の強化等に役立てる。

<ハザードマップ>
 平常時に災害の危険性についての住民の理解を深め、発生時に円滑な避難行動をとることができるように、水害や土砂災害などの被害を受ける危険のある区域や避難場所、避難経路などを示した地図で、市町村が作成し住民へ配布するもの。

<企業内水防団>
 近年の水防団員の高齢化・減少、地域外に勤務している水防団員の増加により円滑な水防活動に支障をきたしている事態に対処するため、組織的なまとまりがあり昼間一定の人員が確保できる企業が組織し、地域社会の一員として出水時に水防活動に参加してもらう水防団のこと。

<道路防災カルテ>
 日常の道路パトロールなどの際に、斜面の変状を容易に発見することにより、対策工や通行規制など、的確な対応を可能とするためのチェックシートであり、点検箇所ごとに想定される災害、点検の時期、点検の方法、点検すべき変状の位置、内容、災害要因を把握した場合の対応策を記しているもの。

<スーパー堤防>
 利根川・淀川等背後に人口・資産等が高密度に集積した低平地等を抱える大河川において、計画規模を上回る超過洪水による破堤に伴う甚大な被害の発生の回避を目的として設置される幅の広い緩い傾斜の堤防で、治水安全度の向上を図るとともに、水と緑のうるおいのある良好な市街地等の形成を図る。

<フロンティア堤防>
 際限ない自然現象に対し、想定を越える洪水が生じても被害を最小限にくい止めるため、たとえ越水しても急激には破堤しないよう、従来の堤防に比べて断面拡幅、緩傾斜化、越水シート等による法面保護、堤体内の水位の低下等を図るドレーン等の強化対策を実施した堤防をいう。

<がけ崩れ緩衝樹林帯>
 がけ地と保全対象人家の間に一定のスペースが存在する危険箇所等について、新たに樹林帯を設け崩壊土砂等の捕捉を図ることを目的に整備。これによって、従来の対策工より規模の小さな施設で対応が可能となり、周辺環境の向上にも寄与。

<密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律>
 阪神・淡路大震災の経験にかんがみ、防災上危険な状況にある密集市街地の整備を総合的に推進するため第140回国会で成立。防災再開発促進地区を設定し他の防災施策と連携し効果的な再開発を促進する。(1)延焼防止上危険な建築物の除却、耐火建築物等への建替えの促進、(2)地区の防災性の向上を目的とする新たな地区計画制度の創設等、(3)地域住民による市街地整備の取組を支援する仕組みの構築、(4)住都公団のノウハウの活用等を内容とする。

<グリーンオアシス>
 広域避難地となる防災公園等の避難圏域において、地区全体の防災性の強化と生活環境の向上を図る観点から、地区単位での一括採択事業(=グリーンオアシス緊急整備事業)として、低・未利用地の機動的な買収等による多様な緑地(=グリーンオアシス:地区内に3ヶ所以上で1ヶ所の面積は500u以上、整備後は都市公園として管理)の整備を推進する。

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