情報通信インフラは、国民生活を支える重要な社会資本として「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」（平成７年２月高度情報通信社会推進本部決定）において、計画的かつ早急なネットワークや公共アプリケーションの整備が求められているところ。また、情報通信の高度化は、平成８年１２月閣議決定「経済構造の変革と創造のためのプログラム」において、新規産業の創出や国際的に魅力ある事業環境の創出を推進するための原動力とされ、平成９年６月閣議決定「財政構造改革の推進について」においても、公共事業の実施等に当たって情報通信の高度化に資する事業へ配慮するとされたところである。これを受けて、建設省においては、今後の公共事業執行の一層の効率化、行政サービスの高度化、公共施設管理の効率化、さらには経済構造改革を進めるための切り札として情報通信の高度化を位置づけたところであり、本ビジョンは、以上の考え方に基づいて施策を推進するため、２，００１年、２，０１０年に向けた収容空間、公共施設管理用光ファイバー等情報通信ネットワークの整備、その経済効果、民間通信事業者との関係等についてとりまとめたものである。

1. 衛星通信、光ファイバーなど多様な情報通信手段を組み合わせ、かつ、民間通信施設も利用しながら、平成７年現在２，０００ｋｍ程度の収容空間、公共施設管理用情報通信ネットワークを下記のように整備する。

2. この結果、全国約３，２００市町村のうち、約８９％に相当する約２，９００市町村がネットワークされる。
3. 整備にあたっては、各施設間の相互接続を図るほか、地域レベルでの懇談会において民間通信事業者の事業展開状況を把握する。さらに、通信コスト、セキュリティーも勘案しながら、民間通信事業者の設備の利用を積極的に検討する。

　累計的に増大する公共施設について、費用の縮減等、より効率的な管理を図るため、以下の視点から高度情報通信ネットワークを活用した公共施設管理を積極的に進める

＊　　光ファイバーによる高度管理を行った場合

＊＊　同等レベルの高度管理を光ファイバー無しで行った場合

　　情報通信ネットワーク整備に要する必要投資額と経済効果は次のとおり推定される。

　以上のほか、新産業の創出、国民生活環境の改善等が期待される。

＊　　道路・交通・車両インテリジェント化推進協議会試算

＊＊　（財）日本建設情報総合センター試算

　また、先進的な地方公共団体のネットワーク整備や過疎地域における民間通信事業者の情報通信インフラ整備に資することにより、地域間の情報格差の解消や魅力ある地域づくりの実現を通じて、地域の活性化に貢献する。

　（１）民間通信事業者の活用

　公共施設管理用通信ネットワークの整備にあたっては、通信コスト、信頼性、セキュリティー等を勘案しつつ、民間通信事業者の光ファイバー網、衛星等の設備を有効利用することを積極的に検討する。

　今後の通信事業者の積極的な利用が想定される情報ＢＯＸの当面の構造は、トラフ構造を基本とする。原則として、情報ＢＯＸの建設負担金は徴収せず、利用料として占用料を徴収する。

　採算性の問題から単独では積極的に投資しにくい地域における民間通信事業者の情報通信インフラの構築や先進的な地方公共団体のネットワークの構築について、公共施設管理用光ファイバーの活用を検討する。

　地域における民間通信事業者の事業展開状況等に配慮し、地域における情報通信ネットワークの具体的なルート、整備年次を示した整備計画「地域情報通信ネットワークプラン」を策定するため、各地方ブロックにおいて懇談会を設立する。

問い合わせ先：大臣官房政策課 政策第二係（内線2294）

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