災害による地域への被害をできるだけ減らすためには、洪水や土砂崩れ、津波などを直接的に防ぐ役割を持つインフラ施設が必要となります。災害リスクが高い箇所への対策となる新たなインフラ整備や既存インフラ施設の改良などにより防災力が強化されます。

河川に流れる水を調整することで洪水等を防ぐ対策

支川となる河川では、本川となる河川から洪水が流れ込むことも対策する必要があります。災害時には本川からの水流の進入を止める水門など、河川施設を整備することで氾濫を防ぎます。

荒川(本川)から隅田川(支川)への洪水の流入を防止する岩淵水門(東京都)

台風等の影響による海岸への越波を防ぐための護岸嵩上げ

台風等の影響により高潮が発生し海岸周辺の地域などに浸水被害を及ぼす場合があります。海岸における護岸を嵩上げすることとで、高潮などの越波を防ぎ、地域の浸水被害を低減します。

尼崎西宮芦屋港海岸における護岸整備(兵庫県)

河川で堤防が未整備だった箇所の緊急整備及び流せる水量を増加させる掘削

豪雨により河川の水が増えすぎると、氾濫してあふれた水により地域に浸水被害が発生する恐れがあります。氾濫を防ぐために、堤防が整備されていない箇所への緊急整備や河川の一部を掘削して流せる水の量を増やすなどの対策を行います。

加古川における未整備箇所への堤防整備及び河道掘削(兵庫県)

地震等による吊り天井落下を防止するための補強対策

過去の大地震では、吊り天井が数多く落下するなど、今後大規模地震が発生した際には様々な場所で危険性が考えられます。地下街のような屋内空間において、吊りボルトの増設及び落下防止ワイヤーの設置等の補強をすることで、吊り天井落下を防止し、安全性が高まります。

名古屋駅地下街・ユニモールにおける防災対策による災害時の被害軽減及び機能確保(愛知県)

Before:大地震に備え吊り天井の落下防止対策が必要

補強対策

After:吊りボルトの増設及び落下防止ワイヤーの設置