
国土交通白書 2024
第2節 観光立国の実現に向けた取組み
「明日の日本を支える観光ビジョン」や観光立国推進基本計画(令和5年3月31日閣議決定)を踏まえ、「持続可能な観光」、「消費額拡大」及び「地方誘客促進」をキーワードに、観光地の高付加価値化や住民生活との調和による持続可能な観光地域づくり等に、政府一丸となって取り組んできた。
(1) 魅力ある公的施設・インフラの大胆な公開・開放
インフラを観光資源として活用・開放し地域振興を図るインフラツーリズムを推進している。
(2) 新たな交流市場・観光資源の創出
訪日外国人旅行消費額の向上や地方誘客の促進に向け、地域固有の自然や文化、食等の観光資源を活用したコンテンツの造成・磨き上げを行った。
また、近年の働き方や住まいのニーズの多様化等を踏まえ、反復継続した来訪を促進する「第2のふるさとづくり」やテレワークを活用したワーケーションの普及・定着といった国内における新たな交流市場の開拓に向けてモデル実証を実施した。
(3)地域周遊・長期滞在の促進
地方部での滞在の増加に資する取組みをより一層推進していく必要があることから、旅行者の地域周遊・長期滞在を持続可能なあり方で促進するため、調査、戦略策定、滞在コンテンツの充実、受入環境の整備、旅行商品の流通環境の整備、プロモーション等、地域が一体となって行う取組みを支援している。また、これら取組みに対する助言をするため、地域への専門家派遣を支援している。
また、訪日外国人の移動の実態(利用交通機関や周遊ルート等)を把握し周遊ルートの分析や戦略的なプロモーション施策の企画立案・見直しに活用できる訪日外国人流動データ(FF-Data)を作成した。
(4)東日本大震災からの観光復興
福島県では教育旅行やのべ宿泊者数の回復に課題が残ることから、同県における観光復興を最大限に促進するため、同県が実施する風評被害対策及び震災復興に資するホープツーリズム等の滞在コンテンツの充実・強化や国内外へのプロモーション等に対して支援を行っている。
また、ALPS処理水の海洋放出による風評への対策として、海の魅力を高めるブルーツーリズムの推進を目的として、海水浴場等の受入環境整備やプロモーションの実施等に対して支援を行っている。