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国土交通白書 2024

第7節 地球環境の観測・監視・予測

■2 地球環境の予測・研究

 文部科学省及び気象研究所では、世界全体の炭素循環過程等を含む地球システムモデルや、日本付近の気候の変化を詳細に予測可能な地域気候モデルの開発等を行い、気候変動の予測研究を行うとともに、世界気候研究計画(WCRP)等の国際研究計画に積極的に参加している。文部科学省と気象庁が公表した「日本の気候変動2020」(令和2年12月公表)では、日本の気候変動について、今後の世界平均気温が2℃上昇シナリオ及び4℃上昇シナリオで推移した場合の将来予測を取りまとめており、この報告書の後継となる「日本の気候変動2025」の作成に向けて、気候変動に関する懇談会 評価検討部会を開催するなど議論を深めた。さらに、文部科学省と気象庁では気候変動の影響評価研究者や地方公共団体、民間企業等の様々な分野で気候変動対策に活用できるデータを取りまとめた「気候予測データセット2022」及び解説書(4年12月公表)に、日本全国を対象とした5kmメッシュでの過去、2℃上昇、4℃上昇実験のアンサンブル気候予測データセットを追加するとともに、データ統合・解析プラットフォーム(DIAS)を通じて公開した。

 このような取組みにより、気候変動の自然科学的根拠について観測成果や予測結果を提供し、気候変動影響評価報告書(令和2年12月公表)、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書(3~5年公表)、地球温暖化対策計画(3年10月閣議決定)や気候変動適応計画(3年10月22日閣議決定)に基づき、地方公共団体等による適応策策定に向けた取組み等に対し積極的に貢献した。