
国土交通白書 2024
第2節 デジタル技術の活用によるイノベーションの推進
■6 水管理・国土保全分野におけるDXの推進
水管理・国土保全分野においては、流域に関する様々なデジタルデータの自動取得、取得したデータの蓄積・共有、知りたいことが一目で分かるようなデータの分析・可視化、流域のあらゆる関係者の行動変容、といった一連の流れ「流域ビジネスインテリジェンス(BI)」により、インフラの整備や管理、防災対策の省人化・高度化が図られるよう、デジタル技術を活用した変革を進めている。
例えば、建設機械の自動化・遠隔化、ドローン等により取得した画像や三次元点群データを活用した点検に関する技術開発を進め、インフラ施設の整備や管理の高度化・効率化を推進している。また、センサや衛星の活用による浸水範囲や土砂移動箇所の把握や統合災害情報システム(DiMAPS)の改良、AIを活用したダム操作支援、火山噴火時の緊急減災対策支援、洪水予測の高度化等により、発災時の迅速な災害対応や早期の避難等を支援している。下水道分野では、局地的な大雨等に対して、センサ、レーダー等に基づく管路内水位、雨量、浸水等の観測情報の活用により、既存施設の能力を最大限活用した効率的な運用、地域住民の自助・共助の促進を支援する取組みを進めている。
さらに、サイバー空間上に流域を再現し予測技術等の実証や水害リスクの可視化等が行えるデジタルテストベッドの整備や流域に関するデジタルデータを蓄積するデータプラットフォームの構築を進め、他分野のデータと連携もしつつ、様々なDX施策での活用を目指している。