【総合技術開発プロジェクト】
総合技術開発プロジェクトは、建設技術に関する重要な研究課題のうち、特に緊急性が高く、対象分野の広い課題を取り上げ、行政部局が計画推進の主体となり、産学官の連携により、総合的、組織的に研究を実施する制度である。1972年度(昭和47年度)の創設以来、2000年度(平成12年度)までに「大都市地域における地震防災技術の開発」、「防・耐火性能評価技術の開発」等の41課題が終了している。
●過去の代表的な事例
「新耐震設計法の開発」(1972〜1976)
地震力を動的荷重ととらえることにより、各種土木建築構造物を安全かつ経済的に建設する新しい耐震設計法の開発。
「建設副産物の発生抑制・再生利用技術の開発」(1992〜1996)
建設発生土・建設汚泥、コンクリート塊等の建設副産物の発生を抑制するとともに、再利用を促進するための技術を開発。
*総合技術開発プロジェクトのこれまでの成果はこちら
【建設技術評価制度】
民間等の研究開発の促進及び建設事業への新技術の導入・活用のために、国土交通省が行政ニーズに基づいて決定した開発課題について、技術開発の目標レベルを広く提示し、民間が研究開発を実施、建設技術評価委員会において技術評価を行い、その結果を受けて国土交通大臣が評価を与え、結果を公表する制度である。
本制度は、1978年度(昭和53年度)に創設され、1997年度(平成9年度)までに75課題を評価している。
当制度は1997年度(平成9年度)以降は休止しており、現在は「公共工事のための新技術活用促進システム」の運用へと移行している。
●過去の代表的な事例
「鉄筋コンクリート建築物等における床型枠用鋼製デッキプレートの開発」(1991年度)
鉄筋コンクリート造の建築物において支保工等の仮設構造物の削減により現場作業の合理化が図れ、かつ、作業安全性の高い床型枠用デッキプレートの開発。
【建設技術の研究開発助成制度】
急速に変化する社会経済情勢に的確かつ早急に対応するため、建設分野の技術だけではなく、建設以外の他分野を含めた連携を進め、広範な学際領域における建設技術革新を促進し、それらの成果を公共事業等で活用することを目的に、大学の研究機関等の研究者等に研究開発費を補助する制度であり、2001年度(平成13年度)に創設された
【税 制】
1)増加試験研究費税制
建設産業は、公共性の高い分野であるため、建設技術の安全・確実な定着までに長期を要すること等、開発にリスクが伴うことから、民間企業等における技術研究開発を支援することを目的として増加試験研究費の特別税額控除制度が1967年度(昭和42年度)に創設された。
2002年度(平成14年度)における当該制度の概要を以下に示す。
(1) 比較試験研究費の額を過去5年間の各期の試験研究費の額のうち多い方から3期分の平均額とし、当期の試験研究費の額が比較試験研究費の額を超える場合(当期の試験研究費の額が、前期及び前々期の試験研究費の額を超える場合に限る)には、その超える部分の金額の15%相当額の特別税額控除を行う。
(2) 特別税額控除限度額は、当期の12%相当額(特別試験研究費の額がある場合には、その支出額の15%相当額を加算した金額と、当期の税額の14%相当額のいずれかが少ない金額)とする。
*特別試験研究費:国の試験研究機関と共同して行う試験研 究及び再生資源の利用に資する土木建築工事の施工に係る 技術に関する試験研究費等
2)中小企業技術基盤強化税制
中小企業者等(資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が千人以下の法人等)の各事業年度の試験研究費について、10%相当額の特別税額
控除を行う。
なお、特別税額控除の限度額は、当期の15%相当額とする。
【日本政策投資銀行融資制度】
良質な住宅・社会資本の効率的な整備を図るためには、新技術の導入が重要な課題であるが、公共的な性格の強い建設事業においては、確実性・信頼性確保等の点から新技術の活用が必ずしも円滑に進まない面があり、民間における研究開発投資についても他産業に比較して低い水準にある。また、建設事業に関する新技術を開発するには、実証実験を行うなど多額の資金と長い投資期間が必要とされる。
このため、日本開発銀行では、1989年度(平成元年度)より、国の研究機関と共同で実施する建設新技術研究開発に対して、また1994年度(平成6年度)より、安全の確保・省エネ推進等の政策的意義の高い民間企業の建設新技術に対して低利融資を行い、建設新技術の開発促進を図ってきた。
1999年度(平成11年度)からは、新技術開発に係る日本開発銀行融資制度の整理・統合化が行われ、対象事業や金利が下記のとおりとなった。
また、1999年(平成11年)10月に日本開発銀行は廃止され、新たに設立された日本政策投資銀行が上記の融資制度を継承した。
融資対象事業
1) 基礎・応用研究に必要な研究施設整備事業
2) 新技術の企業化開発事業
3) 新技術の企業化事業
融資比率
1)〜3) 50%
融資金利
1) 政策金利IIIまたは新技術特利 II
2)3) 政策金利IIIまたは新技術特利 I、II
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