建設省及び関係公団等では、平成8年度より、実際の工事にISO9000シリーズによる品質管理方法を適用し、具体的な手続、内容及び効果を把握するとともに課題及び対応策を検討することを目的としたパイロット事業を実施している。パイロット工事では、入札の条件としてISO9000シリーズの認証取得自体を求めるわけではなく、施工者に ISO9000シリーズに沿った「品質マニュアル」、「作業手順書」、「当該工事品質計画書」の提出を求めるものである。パイロット事業では、上記目的のため、提出資料に基づいて実施される工事の品質管理システムについて調査・分析を行っている。
平成8年度のパイロット工事は、表−1の通りである。
表−1 平成8年度着手ISO9000シリーズ適用パイロット工事
実施機関 |
工 事 名 |
工事概要、工種 |
適用規格 |
建設省 |
市ケ尾高架橋上部(その3)工事
三郷放水路橋下部その2工事 東砂堤体改良工事 新地川上流第2ダム工事 |
鋼橋上部
橋脚2基 堤体改良 本ダム、副ダム |
9001
9002 9002 9002 |
日本道路公団 |
北関東自動車道下横田工事
北陸自動車道城山トンネル西工事 常磐自動車道真似井川橋(鋼上部工)工事 |
土工
土工 (トンネル) 鋼上部工 |
9002
9002 9001 |
平成8年12月、調査委員会において、平成8年度に着手したパイロット工事の進捗状況及び建設業界のISO9000シリーズの認証取得に向けた取組の状況を踏まえ、平成9年度から一般競争入札規模の工事におけるパイロット工事の実施やパイロット工事を実施していない地方建設局、公団等におけるパイロット工事の実施、設計業務におけるパイロット事業実施の方針が示された。
この方針に基づき、平成9年度、建設省及び日本道路公団は、新たにPC上部工、舗装の工種を加え、件数を昨年度の7件から9件に増大してパイロット工事に着手するとともに、新たに本州四国連絡橋公団においてもパイロット工事に着手することとしている。また、新たに設計業務においてパイロット事業を実施することとしている(表−2〜5参照)。
表−2 平成9年度着手ISO9000シリーズ適用パイロット工事(建設省)
発注機関 |
工 事 名 |
工事概要 |
入札 方式 |
入札予定 時 期 |
適用規格 |
東北地方建設局 | 鶴巻地区下部工工事 | 橋脚7基
基礎工(場所打杭) |
公募 | 第3四半期 |
9002 |
東北地方建設局 | 胆沢ダム付替国道第4号トンネル工事 | トンネル(NATM) L=280m | 一般 | 第4四半期 |
9002 |
北陸地方建設局 | 中之島樋門新設工事 | 樋管新築 L=20m | 公募 | 第3四半期 |
9002 |
北陸地方建設局 | 追分道路工事 | 函渠 L=130m (4箇所) | 公募 | 第3四半期 |
9002 |
中部地方建設局 | 302号富田T共同溝蟹田工事 | プレキャスト共同溝 L=200m | 公募 | 第3四半期 |
9002 |
中部地方建設局 | 302号名東(V)植田共同溝工事 | 共同溝(2洞道)
L=170m |
公募 | 第3四半期 |
9002 |
四国地方建設局 | 荒倉トンネル工事 | トンネル(NATM) L=500m | 一般 | 第4四半期 |
9002 |
表−3 平成9年度ISO9000シリーズ適用パイロット業務(建設省)
発注機関 |
工 事 名 |
業務概要 |
入札 方式 |
入札予定 時 期 |
適用規格 |
北陸地方建設局 | 三賀橋実施設計 | 橋梁詳細設計 | 公募型プロポーザル | 第2四半期 | 9001 |
表−4 平成9年度着手ISO9000シリーズ適用パイロット工事(日本道路公団)
発注機関 |
工 事 名 |
工事概要 |
入札 方式 |
入札予定 時 期 |
適用規格 |
中国支社 | 山陽自動車道有帆川橋(PC上部工)工事 | PC上部工 | 公募 | 第3四半期 |
9001 |
四国支社 | 徳島自動車道三好舗装工事 | 舗装 | 公募 | 第3四半期 | 9002 |
表−5 平成9年度着手ISO9000シリーズ適用パイロット工事(本州四国連絡橋公団)
発注機関 |
工 事 名 |
工事概要 |
入札 方式 |
入札予定 時 期 |
適用規格 |
第三建設局
(尾道・今治ルート) |
寺内橋鋼上部工工事 | 鋼橋上部工 | 公募 | 第1四半期 | 9001 |
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