−記者発表資料−
平成10年1月9日
建 設 省
ISO14001モデル事業について
建設省は、直轄工事事務所が発注する設計業務及び工事について、ISO14001に沿った環境管理システム(以下EMSと記す)を構築する対象事務所を設定しました。
公共工事にEMSを導入するためには、発注者から受注者に対し、当該工事の達成すべき環境に関する目的・目標及び遵守すべき法・条例等を示す必要があります。加えて、建設副産物の発生抑制・リサイクルの推進、CO2の排出抑制などについては、設計段階など上流側での配慮も必要です。従って、発注者と受注者(コンサルタント、施工業者)が一体となって共通の環境目的・目標の達成に向けてEMSを運用し、「環境の内部目的化」に努めていくことが重要です。
このため、公共工事において、EMSを構築・運用するにあたっては、公共工事の執行機関である直轄工事事務所が受注者と一体となってEMSを運用することが有効です。
下記、直轄工事事務所においてモデルプロジェクトのEMSを構築するため、平成9年度より検討に着手し、平成10年度以降、構築を終えた事務所からモデルプロジェクトに関する設計業務や工事について、工事事務所が定めた環境目的・目標を達成するために、受注者にEMSの運用を求めていきます。
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問い合わせ先 建設大臣官房技術調査室 河川局河川環境課 道路局路局道路環境課 |
ISO14001について
1 ISO14001
ISO14001は組織の環境に与える影響項目を調査し、そのなかから論理性をもって重大環境影響項目(たとえば廃棄物、CO2の排出)を抽出し、重大環境影響項目に対する改善策を目的・目標に定め、これを達成するためのマネージメントシステムを構築し、下図のような継続的な改善を実施するシステムです。
ISO14001のシステムモデル
2 ISO14001の認証取得件数
ISO14001については1997年9月現在で99件で、このうち1件が建設業ですが、その後2件が取得し3件となっています。海外の認定機関から認定を受けている審査登録機関からの認証件数を含めると479件であり、第2位の英国(440件)をしのいで世界1位の認証取得国となっています(1997年10月現在)。
3 建設省のこれまでの検討状況
1997年7月建設省「公共工事の品質確保等のための行動指針(中間報告)」において、「今後、品質システムであるISO9000シリーズ、環境システムであるISO14000シリーズ等の導入を促進していくことが重要である。」、「平成8年9〜10月に発行した環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001に関して、パイロット工事の実施について検討する。」としています。
さらに、建設省は、平成9年10月に公表した「建設リサイクル推進計画 '97」のなかで、「平成10年度よりモデル事業を実施」することを公表しています。
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