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05/8/1
平成17年7月12日付朝日新聞(9面)掲載記事
「来年度予算・公共事業の議論低調」に対する国土交通省の考え方について
平成17年7月12日付朝日新聞朝刊に「来年度予算 公共事業の議論低調」との記事が掲載されました。
これに対しまして、国土交通省の考えを取りまとめて、7月19日に朝日新聞社に送付しました。
その内容を以下に掲載いたします。

【平成17年7月12日付け朝日新聞(9面)掲載記事より】
04年度に着工した国や自治体など「官」の建築工事の単価は、国交省の調べでは、民間と比べ1平方メートルあたり約6万3千円も高い。バブル期以降、民間工事の単価は激しい受注競争で下がったが、官発注分は高止まりしている。


【見解】

この掲載記事については、平成15年6月5日付け日本経済新聞(5面) 掲載記事と同様の内容であると考えられます。この記事に対する国土交通省の見解については、すでに、平成15年6月5日に 日本経済新聞社宛に送付するとともに、平成15年6月13日に 国土交通省ホームページに掲載 (http://www.mlit.go.jp/tec/opinion/nikkei.html) しているものですが、あらためて、国土交通省の見解について、 下記の通り述べさせて頂きます。
 
(1) 貴紙記事中に掲載されたグラフは、建築着工統計から作成されたものと考えられますが、下記の理由により、 単純に官民の単価を比較できるものではありません 。
 
  1. 建築工事の単価は、建物用途により大きく異なり、内装、設備が少ない工場、倉庫等の単価は、病院や事務所の概ね3分の1です。また、用途別構成比を算出すると、単価の低い倉庫等の占める割合は、公共建築工事では約6%であるのに対して、民間建築工事では約35%となっています(参考1)。従って、用途別区分をしていない統計においては、民間建築工事の単価は公共建築工事の単価よりも低くなる傾向を持つこととなります。
  2. 建物の構造種別についても、民間建築工事では、木造建築が約15%、鉄骨造が約50%を占めているのに対し、公共建築工事では、木造建築が約5%、鉄骨造が約20%となっています。一般に鉄骨造と呼ばれる構造には、プレハブのような軽量鉄骨による簡易な構造物も含まれており、耐用性を求められる公共建築工事に多く使用される鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造を含めた平均的な値として民間建築工事の単価は公共建築工事に比べて低くなる傾向を持つこととなります(参考1 PDF:19KB)
  3. さらに、建築着工統計においては、民間建築工事の設備工事費やテナントビルなどの内装工事費が除かれている場合があることや、公共建築工事は耐震性能の確保やバリアフリー化への対応、長期的な耐用性が求められることなどから、一概に比較出来るものではありません。

(2) 仕様等の類似した民間事務所と庁舎について比較をすると、大きな差はなく 、一概に公共建築工事が高いとはいえない結果となっております(参考2 PDF:15KB)

(3) なお、国土交通省では、公共事業のコスト縮減について、平成9年度から政府と一丸となって取り組み、平成14年度までに約20%以上のコスト縮減を達成しております(参考3 PDF:44KB)。さらに、平成15年度からは、[1]事業のスピードアップ、[2]計画・設計から管理までの各段階における最適化、[3]調達の最適化を見直しのポイントとし、コストの観点から公共事業のすべてのプロセスを見直す「コスト構造改革」に取り組み、従来からの工事コストの縮減に加えて、規格の見直しよるコストの縮減や事業便益の早期発現効果、将来の維持管理費の縮減をあわせて評価し、15%の総合的なコスト縮減を平成19年度までの5年間で達成することとしています(参考4 PDF:33KB)

(4) 国土交通省としては、今後も積極的に公共事業のコスト縮減に取り組んでいく所存です。




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