(1)今のシステムの信頼性をどうやって担保して行くか。
- 同じ制度、同じ取り組みをやっても、地域によってうまくいくところとうまくいかないところで非常に大きな格差が出る。その地域において人間関係とか文化みたいなものがどれぐらい根づいていて、受けとめたときにちゃんと自律的に秩序形成をしてどれぐらいするということである。
- コネクターと呼ばれる人、地域におけるリーダーのような方々が、いろんなグループの中の垣根を取っ払ってイニシアチブを起こされて、そこに信頼の関係みたいなことをつくり上げていくことが必要である。
- コネクターと呼ばれる人が経済的な収益を上げ、還元していくことによって、参加する人たちとのインセンティブを保ち続けていると、逆にまた信頼関係が蓄積されていく。
- コネクターの方々が孤立して、エネルギーが切れて墜落するのを防ぐことが大事であり、情報術を活用した横の連携をつくる動きが活性化している。
(2)「イトコ」仕掛けによる価値再生産
- ネットワークというのは非常にオープンになってしまうと、それが非常に拡散し効果も薄れてくる。その地域という地縁的なものをあるネットワークの限界に据え、ゲマインシャフトとゲゼルシャフトを一体化していくには、どんな商品だったら成り立のか。
- 情報産業がこの10年間ぐらいに起こった現象として、すごく発達のバランスが悪かった。人間が足を引っ張っており、人間の能力を最大活用するところがポイントになる。
- 機能性を求めるところから心の充足みたいなものを求め、ハードウエアに対しても機能性を求めることから、心の充足、精神的なものを求める度合いというのが高まっている。だれかが中央で監視していて完全にコントロールできるほどの状態はもうあり得ない。
- 意思決定とかリーダーシップが非常に重要になってきているが、日本の産業界は、集団的リーダーシップで今までやってきているので、日本はリーダーシップとかリーダーが形成されていないというところで今非常に紛糾している。
- 地域における基盤は大学である。開かれた生涯学習基盤と、その地域に寄与できる人材とか、能力とか、それから組織の展開論とか、雇用の促進も含めて、大学がこれから強力な組織における中核的な機能になっていく。
(3)住民参加等にかかわる都市計画方の改正について
- 規制緩和が当たり前になってきて、町々ではマスタープランが一番、第一位にあるというわりには思想が全くなく自治体がそういうものを持つべきである。21世紀という人口減少化社会を向かえ、他国に先んじて都市を経営する効率を考える必要がある。
- 都市計画については、行政でもないし、デベロッパーでもない、市民的なプランナーが必要である。
(4)技術とモラルの問題
- 技術屋モラルの問題であり、1回つくったものを壊して、その次にリサイクルしてと、そういうシステムはシステムでいいが、1個1個のパーツがもう既に問題である。
- 人間の社会とか人間の環境、あるいは国土のありよう、暮らしというもの、そういうものの見識をだれが示すのか。都市計画で提案型とか参加型にしてどんどんしているというのは、見識を捨てたのではないか。
- 心の問題、精神の問題が一番のポイントである。建材がどんな履歴でつくられたかという情報を、解体されるときまで保存していないと意味がない。