−記者発表資料−                      平成14年1月11日

                              国 土 交 通 省


「土木構造物設計マニュアル(案)−樋門編−」および
「土木構造物設計マニュアル(案)に係わる設計・施工の手引き(案)
[樋門編]」の適用について

 国土交通省では、平成6年度よりコスト縮減施策の一環として、労務費が材料費に比べて相対的に高くなった経済環境等を踏まえ、従前のコンクリートや鉄筋等の使用材料の最小化を重視する設計思想から、施工能率の向上を重視する設計思想への転換(「材料ミニマム」から「労働量ミニマム」)により、総合価格を最小にする設計方法について、検討を進めています。
  これまで一般の方を含めた多方面の方から意見を頂き、これらを踏まえて、河川構造物の樋門を対象にした「土木構造物設計マニュアル(案)−樋門編−」および「土木構造物設計マニュアル(案)に係わる設計・施工の手引き(案)[樋門編]」を策定しました。
  「土木構造物設計マニュアル(案)−樋門編−」等は、国土交通省直轄工事において、平成14年1月1日以降に発注される設計業務に適用します。 

 

<概要>

 ○土木構造物設計マニュアル(案)−樋門編−

「土木構造物設計マニュアル(案)−樋門編−」は、河川砂防技術基準(案)等

の関連諸基準に準拠しつつ、樋門(函渠、胸壁、遮水壁、門柱・操作台、翼壁)に

おける施工性の向上に配慮したRC構造物の構造仕様等を取りまとめたものであ

り、河川構造物の樋門に関するコスト縮減対応の「土木構造物標準設計」を制定す

る際の核となるものです。

   なお、「土木構造物設計マニュアル(案)」については、平成11年11月、土工

構造物・橋梁編を策定しており、今回の樋門編はこれに続くものです。

 ○土木構造物設計マニュアル(案)に係わる設計・施工の手引き(案)[樋門編]

   「土木構造物設計マニュアル(案)に係わる設計・施工の手引き(案)[樋門

]」は、設計マニュアル(案)に基づき具体的な構造物を設計・施工する際のポ

イントを詳しく解説したものです。

(参考)

○「土木構造物標準設計」は、昭和40年に建設省(現国土交通省)が土木構造物の設計及び積算業

務などの合理化を目的として制定したものです。現在までに、土工構造物、河川構造物、立体横断

施設、橋梁下部工、橋梁上部工について全27巻の図面集を制定しており、建設事業の円滑な推進

に大きく寄与しております。

<土木構造物設計マニュアル(案)−樋門編−の生産性向上策>

樋門の生産性向上策

マニュアル(案)の主な内容

施工合理化効果

使用材料の標準化・規格化
 

コンクリート:σck=21N/mm2→24N/mm2 
 
鉄 筋:SD295→SD345

構造物耐久性の
向上

形状の単純化
 

函渠底版側ハンチを設けないなど
 

型枠製作・組立
の省力化

主要部材の標準化・規格化
 

部材厚を40cm、10cmピッチに標準化
 

施工の自動化・
機械化

主鉄筋中心からコンリート
表面までの距離

 

配筋仕様に応じて以下の値に標準化
頂版部・側壁部:90→120mm
底版下面:115→150mm





鉄筋の加工・組
立・検査の省力




 

鉄筋径と配筋間隔の組合せ
 

主鉄筋の鉄筋径と配筋間隔の組合せを
標準化

定尺鉄筋を用いた配筋

重ね継手長で調整して定尺鉄筋を用いる

配力鉄筋および函渠の縦方向
主鉄筋位置の変更

配力鉄筋は主鉄筋の外側に配置する
 

たて壁主鉄筋の断面変化の
廃止

たて壁の鉄筋は断面変化せず1本物の鉄筋
とする

底版の配筋

底版の鉄筋は分割せず1本物の鉄筋とする

<適用時期>

 「土木構造物設計マニュアル(案)−樋門編−」等は、国土交通省直轄工事

  において、平成14年1月1日以降に発注する設計業務に適用します。

<公表内容>

 ○ 土木構造物設計マニュアル(案)−樋門編−

 ○ 土木構造物設計マニュアル(案)に係わる設計・施工の手引き(案)[樋門編]

 ○ 一般からの意見募集に対する回答

  なお、上記の内容はインターネットの国土交通省ホームページで確認できます。

   ホームページアドレス:../../../index.html

              http://www.nilim.go.jp/


問合せ先:国土交通省大臣官房技術調査課 建設コスト管理企画室
      課長補佐        元永 秀     Tel 03-5253-8111(内22353)
      国土交通省国土技術政策総合研究所 総合技術政策研究センター
      建設システム課長    溝口 宏樹    Tel 0298-64-2211(内3721)

 

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