運輸経済月例報告 今月のトピックス 運輸経済月例報告 平成8年9月のトピックス



  〜 最近の国内旅客輸送等の動向 〜
 −−−− 民鉄、タクシー(東京)は弱含み、航空は好調 −−−−

(国内旅客輸送の動向)

  個人消費は緩やかな回復傾向にあるなかで、平成8年7月〜9月期の国内旅客輸送は、対前年同期比で航空を除いてマイナスとなっている。
  JR旅客は、7年1月〜3月期が震災の影響により対前年同期比でマイナスとなり、 7年4月〜6月期からはプラスが続いたが、8年4月〜6月期は定期旅客の減少により 0.0%減、7月〜9月期は前年の民鉄の運賃値上げに際し連絡定期の先買需要の反動があったものの 0.3%減と横ばい状況となっている。
  民鉄は、7年7月〜9月期が運賃値上げ(7年9月)による先買需要があり6年1月〜3月期以来のプラスとなり、8年1月〜3月期、4月〜6月期は前年の震災の反動もありプラスとなったが、7月〜9月期は前年の先買需要の反動により 2.9%減とマイナスに転じている。
バス(東京)は、長期的な減少傾向となっており、4年7月〜9月期以来マイナスが続き、8年7月〜9月期は 4.0%減となっている。
タクシー(東京)は、運賃値上げ(7年3月)の影響で7年4月〜6月期からマイナスに転じ、8年4月〜6月期では値上げが一巡し1年ぶりにプラスとなったものの、7月〜9月期では再び 0.9%減と弱含みとなっている。
航空は、8年1月〜3月期が前年の震災による需要増の反動で 3.1%減と減少したものの、4月〜6月期が再びプラスとなり7月〜9月期は 5.8%増と増加し好調を持続している。なお、10月(速報)は前年同月比 3.2%増となっている。

(輸送関連の動向)

  国内旅行取扱額は、7年1月〜3月期が震災による出控えもあって前年同期比で6.0%減と落ち込み、以降も地下鉄サリン事件等の社会不安や景気の足踏み状態もありマイナスが続いたが、8年1月〜3月期が前年の反動で 7.9%増とプラスに転じている。7月〜9月期は 3.4%増と3四半期連続してプラスを続けているものの、前々年との比較ではいずれも1%台の伸びとなっている。
ホテル(東京及び大阪)の稼働率は、7年4月〜6月期、7月〜9月期が地下鉄サリン事件や円高の影響等により東京の宿泊客の落ち込みでマイナスとなったが、7年10月〜12月期から客室単価を下げてきた効果等もありプラスに転じ、8年7月〜9月期は 4.2ポイント増(稼働率70.7%)となっている。なお、10月(速報)は前年同月比 4.4ポイント増(稼働率84.2%)となっている。
新車登録台数(旅客車)は、7年7月〜9月期が小型乗用車の落ち込みによりマイナスとなったが10月〜12月から普通乗用車の好調に支えられプラスを続けており、 8年7月〜9月期は 5.4%増となっている。なお、10月(速報)は前年同月比10.7%増(うち普通乗用車18.1%増)となっている。