我が国経済の最近の動向をみると、設備投資は回復傾向にあり、住宅建設は高い 水準で推移しており、個人消費も緩やかな回復傾向にある。また、減少傾向にあった純 輸出はこのところおおむね横ばいで推移している。こうした需要動向を背景に、生産 は増加傾向にある。以上のように、景気は回復の動きを続けている。そのテンポは緩 やかであるものの、民間需要は堅調に推移している。なお、雇用情勢は厳しい状況に あるものの、改善の動きがみられる。

　個人消費は、緩やかな回復傾向にあり、一部には消費税率引上げを控えたとみられる動きもある。 　実質消費支出（全世帯）をみると、前年同月比で11月 1.7％増の後、12月は 0.6％ 減（前月比 1.8％減）となった。

　住宅建設は、消費税率引き上げを控えた一時的変動もあるものの、低金利の継続等 を背景に高い水準で推移している。

　新設住宅着工〔総戸数（季節調整値）〕をみると、前月比で12月 4.5％減（前年同 月比1.4％増）となった後、１月は 2.8％減（前年同月比 1.9％減）となった。

　設備投資は、回復傾向にある。

　機械受注（船舶・電力を除く民需）は、前月比で11月は9.7％減（前年同月比20.2 ％増）の後、12月は 12.8％減（同0.2％増）となったが、10〜12月期は前期比15.3％増（前年同期比17.3％増）となっており、増加傾向にある。民間からの建設工事受注額（50社、非住宅）をみると、消費税を控えた一時的反動もあるものの、前月比で１月は34.5％増（前年同月比53.2％増）となった。

　鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産・出荷は、増加傾向にある。在庫は１月は横ばいとなった。

　鉱工業生産は、前月比で12月 0.1％増の後、１月（速報）は5.3％増となった。鉱工業出荷は、前月比で12月 0.2％減の後、１月（速報）は5.7％増となった。鉱工業生産者製品在庫は、前月比で12月 0.4％減の後、１月（速報）は 横ばい となった。

　雇用情勢をみると、完全失業率は高い水準で推移するなど厳しい状況にあるものの、 改善の動きがみられる。

　有効求人倍率（季節調整値）は、12月0.76倍の後、１月0.76倍となった。完全失業率（季節調整値）は、12月 3.3％の後、１月 3.3％となった。

　輸出は、強含みに推移している。

　通関輸出（数量ベ−ス、季節調整値）をみると、前月比で12月 3.2％減の後、１月は 6.4％増（前年同月比13.0％増）となった。

　輸入は、伸びが鈍化し、このところおおむね横ばいで推移している。

　通関輸入（数量ベ−ス、季節調整値）をみると、前月比で12月1.7％増の後、１月は 9.3％増（前年同月比 7.8％増） となった。

　国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字幅は、このところおおむね横ばいで 推移している。

　12月（速報）の貿易・サービス収支（季節調整値）は、前月に比べ、貿易収支の黒字幅が縮小し、サービス収支の赤字幅が拡大したため、その黒字幅は縮小し、811 億円となった。

　消費者物価は、安定している。 　１月の全国指数をみると、前年同月比0.6％の上昇（前月比 0.1％の上昇）となった。

〔本文中、前期（月）比は季節調整値による。〕
〔経済企画庁「月例経済報告」による。〕