一般経済の動き
一般経済の動き (平成9年2月)


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我が国経済の最近の動向をみると、設備投資は回復傾向にあり、住宅建設は高い
水準で推移しており、個人消費も緩やかな回復傾向にある。また、減少傾向にあった純
輸出はこのところおおむね横ばいで推移している。こうした需要動向を背景に、生産
は増加傾向にある。以上のように、景気は回復の動きを続けている。そのテンポは緩
やかであるものの、民間需要は堅調に推移している。なお、雇用情勢は厳しい状況に
あるものの、改善の動きがみられる。
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個人消費は、緩やかな回復傾向にあり、一部には消費税率引上げに伴う変動もみられる。
実質消費支出(全世帯)をみると、前年同月比で1月 0.3%増の後、2月は 0.1%
減(前月比 0.4%減)となった。
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住宅建設は、消費税率引き上げに伴う一時的変動もあるものの、低金利の継続等
を背景に高い水準で推移している。
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新設住宅着工〔総戸数(季節調整値)〕をみると、前月比で1月 2.8%減(前年同
月比1.9%減)となった後、2月は 3.2%減(前年同月比 1.5%減)となった。
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設備投資は、回復傾向にある。
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機械受注(船舶・電力を除く民需)は、前月比で12月は12.8%減(前年同月比0.2
%増)の後、1月は 11.8%増(同14.8%増)となり、増加傾向にある。民間からの建設工事受注額(50社、非住宅)をみると、前月比で1月35.4%増の後、2月は16.5%減(前年同月比10.9%減)となった。
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鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産・出荷は、増加傾向にある。在庫は2月は横減少した。
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鉱工業生産は、前月比で1月 5.6%増の後、2月(速報)は3.4%減となった。鉱工業出荷は、前月比で1月 6.4%増の後、2月(速報)は4.0%減となった。鉱工業生産者製品在庫は、前月比で1月 横ばいの後、2月(速報)は 0.7%減 となった。
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雇用情勢をみると、完全失業率が高い水準で推移するなど厳しい状況にあるものの、
改善の動きがみられる。
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有効求人倍率(季節調整値)は、1月0.76倍の後、2月0.73倍となった。完全失業率(季節調整値)は、1月 3.3%の後、2月 3.3%となった。
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輸出は、強含みに推移している。
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通関輸出(数量ベ−ス、季節調整値)をみると、前月比で1月 6.4%増の後、2月は 3.2%減(前年同月比7.7%増)となった。
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輸入は、伸びが鈍化し、このところおおむね横ばいで推移している。
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通関輸入(数量ベ−ス、季節調整値)をみると、前月比で1月9.3%増の後、2月は 5.0%減(前年同月比 2.7%減) となった。
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国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字幅は、このところおおむね横ばいで
推移している。
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1月(速報)の貿易・サービス収支(季節調整値)は、前月に比べ、貿易収支の黒字幅が拡大し、サービス収支の赤字幅が縮小したため、その黒字幅は拡大し、3,287 億円となった。
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消費者物価は、安定している。
2月の全国指数をみると、前年同月比0.6%の上昇(前月比 0.2%の下落)となった。
〔本文中、前期(月)比は季節調整値による。〕
〔経済企画庁「月例経済報告」による。〕