我が国経済の最近の動向をみると、設備投資は回復傾向にあり、純輸出は増加傾向にある。また、個人消費は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減が薄れつつあるものの、回復テンポは緩やかである。住宅建設は、低金利が継続するなか、消費税率引上げに伴う駆け込み需要により大きく増加した反動もあって、弱い動きとなっている。こうしたなかで、生産は伸びが鈍化し、このところ横ばいで推移している。 以上のように、以上のように、足元は回復テンポが緩やかなものになっており、企業の景況感にも慎重さがみられるものの、民間需要を中心とする景気回復の基調は続いている。 なお、雇用情勢は厳しい状況にあるものの、改善の動きがみられる。

　個人消費は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減が薄れつつあるものの、 回復テンポは緩やかである。 　実質消費支出（全世帯）をみると、前年同月比で７月 3.2％増の後、８月は 0.5％減（前月比 0.8％増）となった。

　住宅建設は、低金利が継続するなか、消費税率引上げに伴う駆け込み需要により大 きく増加した反動もあって、弱い動きとなっている。

　新設住宅着工〔総戸数（季節調整値）〕をみると、前月比で７月 7.6％減（前年同月比27.8％減）となった後、８月は 5.6％増（前年同月比17.5％減）となった。

設備投資は、回復傾向にある。

　機械受注（船舶・電力を除く民需）は、前月比で６月は10.6％減（前年同月比 5.6％増）の後、７月は 5.9％増（同 0.3％増）となり、全体として緩やかな増加傾向にある。民間からの建設工事受注額（50社、非住宅）をみると、前月比で７月25.0％増の後、８月は17.6％減（前年同月比 5.1％減）となった。

　鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産・出荷は、伸びが鈍化し、このところ横ばいで推移している。在庫はこのところ増加している。

　鉱工業生産は、前月比で７月 1.7％増の後、８月（速報）は 2.2％減となった。鉱工業出荷は、前月比で７月 1.0％増の後、８月（速報）は 1.8％減となった。鉱工業生産者製品在庫は、前月比で７月 0.5％増の後、８月（速報）は 0.2％増となった。

　雇用情勢をみると、完全失業率が高い水準で推移するなど厳しい状況にあるものの、改善の動きがみられる。

　有効求人倍率（季節調整値）は、７月0.74倍の後、８月0.72倍となった。完全失業率（季節調整値）は、７月 3.4％の後、８月 3.4％となった。

　輸出は、強含みに推移している。

　通関輸出（数量ベ−ス、季節調整値）をみると、月比で７月 3.2％増の後、８月は 0.1％減（前年同月比 8.9％増）となった。

　輸入は、おおむね横ばいで推移している。

　通関輸入（数量ベ−ス、季節調整値）をみると、前月比で７月 7.3％増の後、８月は 8.9％減（前年同月比 1.1％増） となった。

　国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字は、増加傾向にある。

７月（速報）の貿易・サービス収支（季節調整値）は、前月に比べ、貿易収支の黒字幅が縮小し、サービス収支の赤字幅が拡大したため、その黒字幅は縮小し、 4,338億円となった。

　消費者物価は、安定している。 　全国指数（総合）をみると、前年同月比で７月 1.9％の上昇の後、８月は 2.1％の上昇（前月比 0.1％の上昇）となった。

〔本文中、前期（月）比は季節調整値による。〕
〔経済企画庁「月例経済報告」による。〕