運輸経済月例報告 今月のトピックス 運輸経済月例報告 平成9年6月のトピックス



  平成9年上半期の国内輸送動向(月例ベース)  

 貨物輸送は、JR貨物(車扱)を除き概ね堅調
 旅客輸送は、増加した航空を除き概ね横這い  

 平成9年上半期(1月〜6月)の我が国経済は、緩やかな回復基調にあった。また、4月1日に消費税率の引き上げが実施されたことに伴い、駆け込み需要の発生や、その反動による需要減が生じた。このような中で、我が国の国内輸送は、貨物は概ね堅調、旅客は概ね横這いで推移した。

(貨物輸送)

 貨物輸送は、1月〜3月にかけての消費税引き上げ前の駆け込み需要による活発な荷動きを反映し、JR貨物(車扱)を除き概ね堅調であった。

○ JR貨物は、コンテナ化の進展により、コンテナ輸送は7.2%増(対前年同期比:以下同じ)と好調であったが、車扱が10.2%減と大幅に減少したため、全体で3.1%減と8年下半期に引き続き減少となった。

○ トラック輸送は、特積みトラックは、消費税引き上げ前の駆け込み需要による増加があり、4月以降の反動減も小幅に止まったことにより、3.8%増となった。一般トラックは、1月〜3月は増加したが、4月以降は、前年に好調であった公共事業関連需要の反動減等により減少したため、0.4%増と微増にとどまった。なお、宅配便は、7.1%増と好調が続いている。

○ 内航海運は、貨物船は、活発な荷動きを反映し、2.6%増と増加したが、油送船は、暖冬の影響による燃料油の需要減等を受けて、4.6%減と減少した。

○ 航空は、6.5%増と、5年上半期以来9期連続して増加が続いている。

(旅客輸送)

 旅客輸送は、消費税率引き上げに伴う運賃改定により定期券等の先買い需要が発生した鉄道を除き、輸送機関毎の増減傾向には変化が無かった。

○ JR旅客は、4月の運賃改定を前にして、3月に先買いが行われた定期が、0.6%増と増加し、ゴールデンウィークの出足が低調だった定期外が0.9%減と減少したため、合計で増減なしの0.0%となった。民鉄も、JRと同様の理由により、定期が0.5%増、定期外が0.7%減となり、合計で0.1%増と前期の減少からわずかながら増加に転じた。

○ バス(東京)は、1.8%減となり、減少幅は縮小したものの、4年下半期以来10期連続して減少が続いている。

○ タクシー(東京)は、1.0%減となり、7年上半期以来5期連続して減少が続いている。実車率を見ても、48.1%と0.2ポイント低下し、過去最低となった。

○ 航空は、ゴールデンウィークの出足は低調だったものの、旺盛な旅客需要を反映し、幹線が6.9%増、ローカル線が2.8%増、合計で4.4%増と、6年上半期以来7期連続して増加が続いている。