運輸経済月例報告 今月のトピックス 運輸経済月例報告 平成10年2月のトピックス



  運輸関連事業の景況感  
(運輸関連企業景気動向調査より)
 ・運輸関連事業の景況感は極めて厳しい   
   ・輸送量の減少等を反映   

 「運輸関連企業景気動向調査」(平成10年3月1日現在で調査)によれば、運輸関連事業者の景況感は極めて厳しく、景況感DI値(デヒュージョン・インデックス:「かなり良い」+「やや良い」とする回答者比率から「かなり悪い」+「やや悪い」とする回答者比率を引いた値)も−89.1となった。  運輸関連事業の景況感と輸送量等の推移を業種別に見ると、生産、消費等の全ての経済指標が景気の停滞を示す中で、航空(旅客)以外の業種で輸送量等が減少しており、これが、景況感に反映しているものと考えられる。

 トラック事業は、8年度は調査時期(3月1日)が消費税率引上げ前の駆け込み需要でトラック輸送が好調な時期であったこともあり、DI値のマイナス幅も小幅になっていたが、9年度には輸送量が減少に転じたことから一転して大幅なマイナスとなった。
 内航海運は、8年度には輸送量が増加に転じたにもかかわらずDIは好転せず、7年度以降大きなマイナス値が続いており、経営状況の厳しさを反映したものと考えられる。
 JR旅客は、輸送人員が増加ないし横這いを続けていたため、DI値のマイナス幅も縮小してきていたが、9年度は輸送量が減少したため、DI値が大きく悪化した。
 民鉄及びバス業は、いずれも輸送量が減少傾向を続けているため、DIも厳しい数値で推移している。
 タクシーは、7年度に輸送量が大きく落ち込んだものの、DIはマイナス幅が小さくなっている。これは、この年に実施された運賃改定が景況感に影響したものと思われる。8年度以降は輸送量の減少に伴い、DIは大きなマイナス値が続いている。
 航空運送業は、6年度以降輸送量は高い伸びを維持しているが、DI値は8年度に大きく低下し、9年度も厳しい状況を示している。これは、8年から幅運賃制が導入され、実質的な運賃水準が低下したことが事業者の景況感に影響しているものと思われる。
 旅行業は、取扱高の推移とDI値がほぼ同じカーブを描いている。