一般経済の動き 一般経済の動き (平成11年8月)


 我が国経済の最近の動向をみると、個人消費は、緩やかに回復してきたが、収入が低迷していることなどから、このところ足踏み状態にある。住宅建設は、マンションの着工が増加しており、前年を上回る水準で推移している。設備投資は、なお大幅な減少基調が続いている。公共投資は、着工の動きはこのところ低調だが、事業の実施が進んでいる。輸出は、アジア向けが回復傾向にあるため、緩やかに増加している。
 在庫は、調整が進み、在庫率は前年を下回る水準になっている。こうした中、生産は、持ち直しの動きがみられる。
 雇用情勢は、依然として厳しい。勤め先や事業の都合による失業者が依然多く、完全失業率は高水準で推移している。
 企業収益は、持ち直してきた。また、企業の業況判断は、なお厳しいが改善が進んでいる。
 以上のように、景気は、民間需要の回復力が弱く、厳しい状況をなお脱していないが、各種の政策効果の浸透などにより、緩やかな改善が続いている。
 政府は、将来の公需の鈍化等が景気減速をもたらしかねないとの懸念を払拭しつつ、公需から民需へのバトンタッチを円滑に行い、景気を本格的な回復軌道に乗せていくとともに、新たな発展基盤の確立を目指すため、今後の我が国の経済運営の指針ともなる総合的な経済対策を早急に策定し、平成11年度第2次補正予算を編成する。

 個人消費は、緩やかに回復してきたが、収入が低迷していることなどから、このところ足踏み状態にある。
 実質消費支出(全世帯)は前年同月比で7月1.4%増の後、8月は0.1%増(前月比1.1%減)となった。

 住宅建設は、マンションの着工が増加しており、前年を上回る水準で推移している。
 新設住宅着工をみると、総戸数(季節調整値)は、前月比で7月11.7%減(前年同月比1.9%増)となった後、8月は10.7%増(前年同月比8.4%増)の10万6千戸(年率128万戸)となった。

 設備投資は、なお大幅な減少基調が続いている。
 機械受注(船舶・電力を除く民需)は、前月比で7月は5.4%減(前年同月比7.5%減)の後、8月は2.7%増(同4.1%減)となり、基調は減少傾向となっている。民間からの建設工事受注額(50社、非住宅)をみると、8月は前月比15.4%増(前年同月比1.7%減)となったが、低水準での推移となっている。

 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、在庫は、調整が進み、在庫率は前年を下回る水準になっている。こうした中、生産・出荷は、持ち直しの動きがみられる。
 鉱工業生産は、前月比で7月0.6%減の後、8月(速報)は、電気機械、輸送機械等が増加したことから、4.6%増となった。
 鉱工業出荷は、前月比で7月1.1%減の後、8月(速報)は、生産財、耐久消費財等が増加したことから、4.0%増となった。鉱工業生産者製品在庫は、前月比で7月1.3%減の後、8月(速報)は、電気機械、石油・石炭製品等が減少したものの、輸送機械、金属製品等が増加したことから、0.2%増となった。


 雇用情勢は、依然として厳しい。勤め先や事業の都合による失業者が依然多く、完全失業率は高水準で推移している。
 有効求人倍率(季節調整値)は7月0.46倍の後、8月0.46倍となった。完全失業率(季節調整値)は、7月4.9%の後、8月4.7%となった。

 輸出は、アジア向けが回復傾向にあるため、緩やかに増加している。
 通関輸出(数量ベ−ス、季節調整値)は、前月比で7月0.7%減の後、8月は1.7%増(前年同月比5.0%増)となった。

 輸入は、アジアからの輸入が増加基調にあり、緩やかに増加している。
 通関輸入(数量ベ−ス、季節調整値)は、前月比で7月3.7%減の後、8月9.2%増(前年同月比13.6%増)となった。

 国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字は、おおむね横ばいとなっている。
 8月(速報)の貿易・サービス収支(季節調整値)は、前月に比べ、貿易収支の黒字幅が縮小し、サービス収支の赤字幅が拡大したため、その黒字幅は縮小し、5,298億円となった。

 消費者物価は、安定している。
 全国指数(総合)をみると、前年同月比で7月0.1%の下落の後、8月は0.3%の上昇(前月比0.3%の上昇)となった。

〔本文中、前期(月)比は季節調整値による。〕
〔経済企画庁「月例経済報告(平成11年9月17日)」による。〕