周辺の都市環境との調和が図られ、又はその地域・地区の良好な都市景観形成を積極的にリードしている。
○所在地:北海道室蘭市
隣接する拘置所・裁判所・周辺の住宅と調和する柔らかな色調のれんが調タイルを外装材の基調とし、金属パネルをアクセントとすることで3階建て建物のボリューム感を抑え、景観形成のポイントとなる外壁の開口部には、形状や寸法の種類を抑えて端正な外観とし、外部の照明器具も景観に配慮しています。
また、隣接する住宅や拘置所と相互のプライバシーを保つ距離とし、外構では街区における緑のネットワーク形成のため、緑地と遊歩道を配しています。
【景観評価の試行事業としての取組】
・室蘭法務総合庁舎整備事業景観形成検討懇談会の設置
○所在地:北海道旭川市
旭川シビック・コア地区における拠点施設として、中心市街地の活性化、良好な市街地環境の形成に貢献するよう整備しています。敷地北側に面する宮前通りは、シビック・コア地区の賑わいを醸成する重要な通りとして位置付けられています。
このため、中央のアトリウムで庁舎と宮前通りをつなぎ、市民に開放されたスペースとすることで、都市的な賑わいの一助となるように配慮しています。また、アトリウムはシビック・コア地区のランドマークとなるよう宮前通りへの正面性と風格を創出する象徴的なデザインとし、建物の外観は、基壇部を持つ落ち着きのある二層構成のデザインとして、地区の景観形成に配慮しています。
また、シビック・コア地区の円環広場は、忠別川周辺緑地から旭川駅周辺に続く北彩都ガーデン(仮称)を形成しています。
【重点検討事業としての取組】
・地方公共団体との景観形成等に関する連携(旭川シビックコア整備計画との連携)
・北彩都あさひかわ整備事業との連携
・旭川合同庁舎ユニバーサルデザイン検討懇談会の設置
・モックアップの実施(外壁、多機能トイレ、サイン)
円環広場側テラス 宮前通り側歩道
○所在地:東京都港区 日本学術会議事務棟の耐震改修に当たっては、周辺の景観に配慮しつつ、外部に設けた補強フレームの外に日本の伝統的素材である「簾」をイメージしたルーバー状のフィルターを設置して、建物の外部デザインの再構築を図っています。 このフィルターは、耐震補強の接合部分をカバーしながら日射等を制御するスクリーンの役割も果たしています。 |
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○所在地:京都府京都市上京区
景観法による京都の美観地区内において、災害時に対応が可能な施設とするための耐震改修を行ったものです。
京都の景観に調和した外観とするため、耐震ブレースに「格子窓」をモチーフとしたデザインを用いてブレースの存在を和らげ、また、構造控え壁(バットレス)には「うだつ」(日本家屋に取り付けられた隣家との間に設けられた防火壁)のデザインを模するなど、京町家のデザインを取り入れています。
○所在地:熊本県熊本市
新たに開発が進む熊本駅周辺地域の核となるシンボル性を持ちつつ、まちなみと調和した人に優しい庁舎を目指しています。庁舎は2つの表情を持つ外壁で分節することで圧迫感のない建物とし、陰影のある外観とすることで周囲とのスケールの調和を図っています。
また、ケヤキの植栽などによる緑豊かな東側県道に面して、交流広場やシラカシ、ケヤキなどの植栽、ベンチなどを配置することで、県道と一体となった心地よい空間の整備を行っています。
【重点検討事業としての取組】
・新熊本合同庁舎及び周辺地域整備協議会による検討
・バーチャルリアリティ(コンピューターグラフィックによるシミュレーション動画)手法を用いた景観シミュレーションの実施
県道と一体的な整備 陰影のある外観
○所在地:東京都江東区
臨海副都心のテレコムセンターの海側に位置し、青海縦貫道路に面する立地性からテレコムセンターの軸線に沿った施設配置とし、海側からの景観において、まちなみ、スカイラインの連続性に配慮しています。配置については、敷地境界から離隔を確保するため庁舎の高層部を敷地の中央、低層部を青海縦貫道路側に配置することにより、周辺環境との調和を図っています。
また、歩道部分には高木と地被類・低木をバランスよく配植することにより、見通しが良く開放感のある植栽の配置としています。
【重点検討事業としての取組】
・東京都景観計画及び江東区のまちづくりのためのガイドライン等に沿った景観づくり
・BIMを活用した外観計画の検討
スカイラインの連続性 歩道沿いの植栽