(都市河川によるうるおいのある良好な都市景観)

 自然の恵みである水を主役とした河川空間・水空間は都市景観を構成する重要な要素となる。「水環境に関する世論調査(平成11年総理府)」によると、大都市、中都市、小都市、町村のいずれの規模の地方公共団体に住む住民においても、「貴重な自然環境」「美しい景観」「防災防火」「心のやすらぎ」などをまちづくりにおける水や水辺の役割としてあげており、水環境が都市景観を構成する重要な役割を果たしていると認識していることが分かる。これを平成2年における同様の世論調査の結果と比較してみると、大多数の項目において、水や水辺の役割に期待をするポイント数が増大しており、良好な水環境に対する人々のニーズが高まっている傾向にあることが伺える(図表4-2-13)。
 平成10年9月都市内河川小委員会の中間報告では、河川と沿川地域を一体的に整備・利用するため、都市河川についても都市施設として公園、緑地、街路等の多様な都市施設と計画の整合性を図りつつ進めて行くことについて提言している。これまでも、都市河川を都市計画に位置付けて整備を進めるための事業を実施することで、水空間を都市景観の重要な構成要素として取り込んでいる。
〈紫川の演出する北九州小倉の景観〉
 北九州市小倉の中心地を流れる紫川は、紫川が小倉の歴史とともに歩んできたシンボル的な存在である。北九州市はマイタウン・マイリバー事業により、紫川下流部の河川改修事業により治水対策を推進すると同時に、都市計画に紫川の河川整備(親水護岸、河畔プロムナード、人工の滝等)を道路整備、橋梁整備、公園整備、市街地整備と一体として位置付け、豊かな水辺環境を活かした安全で快適な水景都市を創出している。

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