第I部 地域の活力向上に資する国土交通行政の展開 

コラム・事例 金沢港における多目的国際ターミナルの整備による地域経済効果

 金沢港は、石川県金沢市に位置する重要港湾であり、北陸地方の経済・産業を支える物流の拠点となっています。近年は、中国や北米向けの国際定期航路の充実により、産業機械や輸送用車両等を中心に輸出量が増加するなど、地域産業の国際競争力の強化に大きく貢献しています。
 金沢港では、多様な貨物を扱う多目的国際ターミナルや、小ロット・多頻度貨物を効率的に集荷し海上輸送を円滑に行う小口貨物積替円滑化支援施設の整備を始め、ソフト・ハード一体となった港湾機能の強化が行われています。これらの港湾機能の強化により、大型船による輸送や小口貨物の輸送効率化等が可能となり、より一層低コストかつ効率的に貨物を輸送することができるようになります。こうした国際物流拠点としての機能が強化されることにより、背後圏の地域産業にも大きな効果をもたらすことが期待されています。
 実際に、多目的国際ターミナルの整備に合わせて、大手建設機械企業が、需要拡大に対応した生産能力の向上のため、新工場を建設しました。同工場では、約50人の新たな雇用が創出されるとともに、19年度には約100億円の出荷を見込んでいます。
 このように、港湾の機能強化は、産業立地や雇用創出等を通じて地域経済に大きな効果をもたらしています。
 



 

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