第I部 地域の活力向上に資する国土交通行政の展開 

コラム・事例 東海環状自動車道等の整備による波及効果

 中部国際空港の開港や愛知万博の開幕に合わせて、平成17年3月に完成した東海環状自動車道を始めとする新たな自動車専用道路ネットワークは、中部の「ものづくり」を支え、地域の活力の向上に寄与しています。
 岐阜県では東海環状自動車道の整備等による利便性の向上に伴い、平成17年には、その前年と比較して工場立地件数が3.4倍、立地面積が5倍と大幅に増加しています。特に、工場立地面積の伸びは、16年上期は全国35位でしたが、18年上期では全国7位に大きく躍進しています。
 


工場立地件数及び面積の伸び(平成17年/平成16年) 平成16年から平成17年の工場立地件数と面積の伸びについて見ると、立地件数では愛知県が1.3倍、岐阜県が3.4倍、全国では1.2倍であり、立地面積では愛知県が1.6倍、岐阜県が5.0倍、全国では1.4倍である。
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 一方、伊勢湾岸自動車道、セントレアライン等の整備により、空港や港湾へのアクセスが飛躍的に向上しています。名古屋港の平成18年上半期の輸出入貨物量は6,352万トンで、対前年同期比6%と着実に増加しています。また、17年2月に開港した中部国際空港の輸出入貨物量は18年3月期で2万6千トンと、16年3月期(名古屋空港)に対し2.2倍の伸びを示しています。中部5県で取り扱われた輸出入貨物の利用空港の構成比を見ると、16年9月時点での名古屋空港の利用は、輸出が13%、輸入が26%にとどまっていましたが、中部国際空港開港後の17年9月時点では、輸出が24%、輸入が40%となり、成田国際空港等から大きくシフトしています。さらに、大手国際航空貨物取扱会社では、リードタイムの短縮が求められる自動車関連産業等のニーズに対応し、愛知県・岐阜県・三重県の一部から中国上海行き貨物の翌日配達サービスを商品化するなど、空港や港湾と後背圏を結ぶ広域的な道路網整備による効果がうかがえます。
 


中部地方で取り扱われた輸出入貨物の利用空港(構成比) 中部地方で取り扱われた貨物の利用空港の構成比について見ると、輸出貨物では、平成16年9月において、名古屋が13%、成田が68%、関空が19%、平成17年9月において、中部が24%、成田が59%、関空が17%であった。輸入貨物では、平成16年9月において、名古屋が26%、成田が56%、関空が18%、平成17年9月において、中部が40%、成田が40%、関空が20%であった。
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 このように環状道路等のネットワークは、地域に大きな経済効果をもたらしており、中部の「元気」を持続・発展させるため、引き続き東海環状道西部区間等の整備を推進していきます。
 


中部地方の道路ネットワーク

 

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