第II部 国土交通行政の動向 

第6節 利便性の高い交通の実現

(1)都市・地域における総合交通戦略の推進

 安全で円滑な交通が確保された集約型のまちづくりを実現するためには、自動車、鉄道、バスといった輸送モード別、事業者別にとらえるのではなく、利用者の立場に立ったモード横断的な視点・考え方に基づき、都市・地域のサービスに第一義的な責任を有する地方公共団体(特に市町村)が中心となって、地方公共団体、公共交通事業者等の関係者からなる協議会等を設立する必要がある。協議会等においては、目標とする都市・地域像や提供すべき交通サービスを明確にした上で、必要となる交通施策や実施プログラム等を内容とする「都市・地域総合交通戦略」を策定するとともに、関係者がそれぞれの責任の下、同戦略に基づく施策を実行する仕組みを構築することが必要である。
 国は、こうした仕組みに基づいて実施される次世代型路面電車システム(LRT)や高速輸送バスシステム(BRT)(注1)等の公共交通の導入・利用促進、交通結節点の改善、駐車場の整備、自転車・歩行者環境の整備、環状道路の整備、交通需要マネジメント(TDM)(注2)、モビリティマネジメント等の取組みを総合的かつ一体的に支援することとしている。


(注1)バスの定時性、速達性の確保のため、輸送力を向上させた高度なバスサービス
(注2)都市または地域レベルの道路交通混雑を緩和するため、道路利用者の時間の変更、経路の変更、手段の変更、自動車の効率的利用、発生源の調整等により、交通需要量を調整(=交通行動の調整)する手法

 

テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む