第II部 国土交通行政の動向 

(4)都市鉄道ネットワークの充実

 都市鉄道ネットワークは、これまで輸送力増強や混雑緩和を主眼に整備が進められたことにより、相当程度拡充されてきた。その結果、大都市圏における鉄道の通勤・通学時の混雑は、少子高齢化の進展等と相まって全体としては低下傾向にあるが、一部の路線・区間では依然として高い混雑率であるため、引き続き混雑緩和に取り組む必要がある。一方、他の鉄道事業者の路線との接続の不備、混雑時における速度の低下、駅とその周辺との一体的な整備の欠如といった「質」の面における課題がなお見られる。このような状況を受け、既存施設を有効活用しつつ、速達性の向上及び交通結節機能の高度化を図ることを目的とした「都市鉄道等利便増進法」の活用により利用者利便を増進するとともに、鉄道路線間のみならず鉄道とバス間の乗継円滑化も進めるなど、都市鉄道ネットワークを一層充実させていく。
 
図表II-4-6-2 三大都市圏の最混雑区間における平均混雑率・輸送力・輸送人員の推移

平成17年度の平均混雑率は、東京圏で170%、大阪圏で134%、名古屋圏で146%であり、昭和50年度以降低下傾向にある。輸送力は、昭和50年度を100とした指数で見ると、東京圏で163、大阪圏で130、名古屋圏で154であり、平成7年度以降は横ばい傾向にあるが、昭和50年度から平成17年度までで見れば上昇傾向にある。輸送人員は、昭和50年度を100とした指数で見ると、東京圏で126、大阪圏で88、名古屋圏で110であり、平成2年を境に低下傾向にある。
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図表II-4-6-3 整備中の主な都市鉄道新線

仙台市東西線、名古屋市6号線、大阪外環状鉄道大阪外環状線等の整備が行われている。
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