第II部 国土交通行政の動向 

1 ユビキタス技術を活用した場所情報システムの展開

 ユニバーサルデザインの考え方に基づき、我が国の先進的なユビキタスネットワーク技術(注)を活用し、「いつでも、どこでも、だれでも」移動等に関する情報を入手できる環境を構築することにより、すべての人が安心かつ快適に移動できる社会の実現を目指す「自律移動支援プロジェクト」を、産・学・官・市民の連携・協力の下、平成16年度から推進している。18年度は、全国8箇所において、様々な環境下での稼働性の検証とそれに基づく課題の確認を実施し、技術仕様書案の改善・更新、セキュリティ対策の検討等を行った。
 今後は、公共交通利用情報や周辺施設情報等の提供について、平成20年度以降の実用化を念頭に運用するとともに、更に検証が必要な視覚障害者等を対象とした経路案内や歩行環境の情報等の提供については、22年度までの実用化に向け、引き続き試験的運用を行うこととしている。
 また、自律移動支援システムの基盤となるユビキタス場所情報システムは、場所が自ら情報を発信するものであり、位置情報、地理情報等の様々な分野での活用が考えられるなど、汎用性・拡張性のあるシステムである。このため、新たな社会基盤としてのユビキタス場所情報システムの多角的な活用に向け、産・学・官・市民と連携して検討を進めることとしている。
 
図表II-4-7-1 自律移動支援プロジェクト

歩道や案内板等に埋め込まれた電子タグ等から場所情報を携帯端末で読み込み、移動経路、交通手段、目的地等の情報を身体的状況に応じて必要な形でリアルタイムに提供する自律移動支援プロジェクトを推進している。


(注)あらゆる情報機器が広帯域ネットワークで結ばれることにより、「いつでも、どこでも、何でも、だれでもつながるネットワーク」(ユビキタスネットワーク)の利活用環境を形成する情報通信技術(ICT)

 

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