第II部 国土交通行政の動向 

(4)専門工事業、建設関連業等の経営基盤の強化

1)中小・中堅建設業
 中小・中堅建設業者が、継続的協業関係の確保により経営力・施工力を強化するため、経常建設共同企業体の適切な活用を促進している。また、中小・中堅建設業者の組織化、事業の共同化を推進しており、事業協同組合等(注1)による共同事業の活性化や事業革新活動を促進している。

2)下請セーフティネット債務保証事業
 中小・中堅建設業者の担保力・信用力を補完し、工事途中での資金不足の発生等を防ぎ、さらに下請代金の支払いの適正化を図るため、「下請セーフティネット債務保証事業」を行っている。平成18年12月末現在、公共工事用債務保証枠は30都府県で1,430億円、民間工事用債務保証枠は8県で80億円が設定されている。
 
図表II-5-4-17 下請セーフティネット債務保証事業のスキーム図

下請けセーフティーネット債務保証事業とは、元請け業者の資金調達の円滑化、下請代金の支払の適正化等を図るため、公共工事や一部の民間工事の請負代金債権を担保にして事業協同組合等が元請け業者に対し転貸融資を行う際、(財)建設業振興基金が事業協同組合等の調達した転貸資金に対し債務保証を行う事業である。

3)専門工事業
 専門工事業者は、建設工事を直接施工し、工事の品質確保に重要な役割を担っている。平成18年度は建設業の基本構造である重層下請構造について、合理的な下請施工体制のあり方を検討した。また、専門工事業者が活躍の場を増やすことができるようCM方式(注2)等の多様な建設生産・管理システムの普及促進に努めている。

4)建設関連業(測量業、建設コンサルタント、地質調査業)
 建設関連業は、建設投資が減少している中、各業界が業務成果の品質確保等を図るとともに、各企業が特性を生かした経営戦略の下、技術力と人材を経営資源とする知的産業として、適正な競争市場への参加と新たな業務領域の拡大に努めている。国土交通省では、建設関連業の登録制度の的確な運用等を通じて、技術力の向上に努めている企業を支援している。


(注1)建設業の事業協同組合:4,813組合、協業組合:40組合、企業組合:149組合
(注2)発注者の代理人あるいは補助者として、発注者の利益を確保する立場から、品質管理、工程管理、費用管理を行う方式

 

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