（3）地域の防災力の向上

1）高齢者や幼児等の災害時要援護者対策
　病院、老人ホーム、幼稚園等の災害時要援護者関連施設における危険箇所について、砂防えん堤等の土砂災害防止施設や人工リーフ等の海岸保全施設を重点的に整備している（平成18年度は約610箇所で実施）。また、「土砂災害防止法」に基づき、土砂災害特別警戒区域等内への災害時要援護者関連施設等に係る開発行為の制限等を推進するとともに、18年9月に「土砂災害防止対策基本指針」を変更し、災害時要援護者の警戒避難体制整備の強化を図っている。
　さらに、近年の災害では、災害時要援護者の被災が目立っていることから、平成17年に「水防法」を改正し、浸水想定区域が指定された市町村は、市町村地域防災計画に位置付けた災害時要援護者関連施設への洪水予報等の伝達方法を定めるよう義務付けるなど、円滑な避難の支援策を講じている。

2）水防体制の強化
　水防団員の減少・高齢化等による水災防止力の低下を補うために、平成17年の「水防法」の改正により水防協力団体制度が創設された。これにより水防協力団体に指定されたNPO法人等が、監視・警戒等の水防活動への協力業務等を行えるようになり、水防体制の強化が図られている。

3）防災教育の推進
　災害の被害軽減に資する防災教育を支援するため、学校や市民団体等の要望に応じた講師の派遣や広報用ビデオの貸出、小学生を対象とした防災教育のマニュアル作成等を実施している。