第II部 国土交通行政の動向 

(3)物流分野における環境施策の推進

 現在、国内物流における輸送機関分担率(輸送トンキロベース)では自動車が最大であり、50%を超えている。トラックのCO2排出原単位(注)は、大量輸送機関である鉄道、内航海運より大きく、貨物と旅客を合わせた運輸部門における輸送機関別CO2排出割合は、鉄道、内航海運が全体の7〜8%であるのに対し、トラックは営業用・自家用ともに15%を超えている。
 国内物流を支え、CO2の排出を抑制するためには、トラック単体の低燃費化や輸送効率の向上と併せて、トラックの自営転換を含め、鉄道、内航海運等のエネルギー消費効率の良い輸送機関の活用を図ることが必要である。このため、鉄道においては、物流の大動脈である東京と北九州間において1編成26両(1,300トン)輸送を実現するJR山陽線の輸送力増強事業の推進等により利便性向上を図っている。内航海運においては、複合一貫輸送への対応を引き続き行うほか、「海上輸送モーダルシフト推進検討会」を平成18年10月より設置し、関連施設の整備や荷主への働きかけ等に取り組んでいる。
 国土交通省では、経済産業省、物流団体、荷主団体等の広範な参加を得て、グリーン物流パートナーシップ会議を開催し、物流事業者と荷主企業の連携の強化による物流のグリーン化等を推進している。平成18年度は前年度に引き続き、CO2排出量算定手法の策定に努めるとともに、物流事業者と荷主企業のパートナーシップにより実施されるCO2排出削減が確実な物流効率化事業を当該会議において推薦し、推薦を受けた事業者に対し、費用の一部の補助が可能な制度を実施することにより、裾野の広い展開を図っている。
 
図表II-7-1-4 グリーン物流パートナーシップ会議を通じた取組みの推進

関係省庁、荷主団体、物流団体等の広範な参加を得たグリーン物流パートナーシップ会議を開催し、多様な取り組みに応じたシーオーツー排出量算定手法の策定と標準化、広報の取り組み等を行っている。


(注)貨物1トンを1km輸送するときに排出するCO2の量

 

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