第2節 自然災害対策 

コラム 災害時の避難に支援が必要な人々の関連施設を守る土砂災害対策

 平成21年7月22日、山口県防府市で発生した土石流により、特別養護老人ホームの入居者7名が死亡するなど、土砂災害により甚大な被害が発生しました。このことにより、改めて災害時要援護者施設等、迅速な避難が困難な人々が入居する施設等の保全の更なる推進と、自主防災組織レベルでの警戒避難体制の強化の必要性が明らかになりました。
1 迅速な土砂災害対策の実施
 平成21年3月31日に国土交通省令が改正され、大規模な自然災害が発生した場合、各事務所の所掌事務及び管理区域にかかわらず、各事務所が緊急に砂防工事等を行うことが可能となりました。山口県防府市を中心とする土砂災害への対策に関し、山口県からの要請を受けて、上記改正規則を初めて適用し、直轄砂防災害関連緊急事業を実施しました。
2 土砂災害の危険のある災害時要援護者関連施設等への対応
 災害時要援護者関連施設への土砂災害対策は、これまでも重点的に実施してきたところですが、山口県防府市の土砂災害を契機に地域住民(施設管理者)、市町村や都道府県等の協力を得て、全国の災害時要援護者関連施設等がある危険箇所の総点検を実施しています。
 点検調査結果に基づき、各都道府県や国により、特に保全対策が必要な箇所について、砂防堰堤等の整備を実施するとともに、地域住民と市町村、都道府県が連携して、「危険な区域の明示」「確実な情報の伝達」「防災訓練の実施」を柱に、実践的な警戒避難体制の強化を図るなど、ハード・ソフト一体となった対策を行っています。
 
平成21年7月 山口県防府市で発生した土石流災害

平成21年7月 山口県防府市で発生した土石流災害

 
防府市真尾地区(特別養護老人ホーム)被災状況

防府市真尾地区(特別養護老人ホーム)被災状況


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