(b)貨物輸送


 国鉄貨物輸送量(トンキロベース)は、我が国経済が急速な成長を続ける中において、30年代の前半は順調な伸びを示したが、30年代後半から40年代半ばにかけては概ね横ばいで推移し、45年度の624億トンキロをピークとして減少傾向へと転じ、その後も大きく減少を続けた〔1−1−4図〕

 

 国鉄貨物輸送の国内貨物輸送全体における分担率は、30年度には約5割を占めていたが、その後、重化学工業の臨海部立地が進んだために原材料や製品の輸送が内航海運主体となってきたこと、道路整備の進展によるトラック輸送の利便性が向上したこと等により、分担率は低下の一途をたどり、国鉄改革直前の61年度には4.6%となった〔1−1−5図〕

 

 しかしながら、国鉄貨物輸送は、大量輸送及び長距離輸送の分野で他の交通機関と競争しても十分にその特性を発揮し得ることから、石油、セメント及びコンテナ輸送等の分野においては、相応の役割を果たしていた。