(イ)経営状況

〜硬直的な運賃制度、進まぬ合理化等を背景として急速に悪化


 国鉄の事業経営は、輸送構造の変化に伴う輸送量の低迷若しくは減少のため運輸収入が伸び悩む一方、それに対応した事業内容の見直しや、合理化等の経営改善がなかなか進まなかった。その結果、生産性は低迷し、地方交通線問題も顕在化するに至った。さらに、運賃法定制により適時適切な運賃改定ができなかったことや、労使関係が極めて不安定だったことも重なり、経営状況は悪化の一途をたどり、国鉄改革直前には繰越欠損金や長期債務が膨大な額に達した。