(b)運賃の推移


 国鉄の基本的な運賃の改定には、国鉄運賃法の改正が必要であったが、経営の悪化が進んでいた40年代、国鉄運賃が公共料金の目玉として常に抑制の対象となり、適時適切な運賃改定が行えなかったことが、国鉄の事業経営を悪化させる原因の一つになっていた。こうしたことから、52年12月国鉄運賃法の一部改正が行われ、一定の経費の増加分の範囲内で運輸大臣の認可を受けて国鉄の自主的経営判断の下に運賃改定を行うことができるようになった。
 その後、増え続ける経費に対応して毎年のように運賃改定が行われたため、国鉄の運賃は、逆に消費者物価を越える伸びで推移するようになり〔1−1−8図〕、そのことが結果として、国民の国鉄離れを引き起こしていった。