(1) 鉄道整備に対する助成の必要性


 鉄道の整備には膨大な資金が必要であり、その回収には長期間を要する。特に大都市圏における新線建設については、地下鉄のキロ当たり建設費が数百億円に上ることにも見られるとおり、より規模の大きな投資が必要となっているとともに、用地取得の遅延等により投資の懐妊期間も長くなり利息負担も膨大となっている。また、近年増加している需要開発型の路線においては、輸送需要を正確に見込むことが困難な場合がある。
 以上のように、鉄道整備は投資リスクが大きなものとなっており、鉄道整備を着実に推進していくためには、資本費の負担の軽減を図るなど鉄道事業者の投資意欲を醸成するための投資インセンティブの強化が必要である。