2 ポートセールス活動の活発化


 ポートセールスとは、船舶や貨物の誘致のため、国外にあっては誘致の目標とする航路や船社の所在国に港湾管理者や港運事業者、商工会議所などの港湾振興関係者により構成されたミッションを派遣し、国内では背後圏域本社・支社機能の集中する都市、地元において説明会、見学会等を開催し、船社や荷主等を集めて当該港湾を利用するメリットの説明を行い、あわせて利用者のニーズを把握し、施設整備や管理運営の改善に反映させていくものである。

 ポートセールスは、主要8大港をはじめとして行われてきたが、近年では、地方港における港湾施設の充実やFAZ施設の整備など港湾機能の拡大と荷主企業の地方圏への生産拠点の分散化、企業経営における物流の合理化やコスト削減の観点から、自社工場に近い港湾を利用しようという荷主の意向とも重なり、さらには、近隣東アジア諸港の急速なハブポート化も影響して、航路誘致を中心としたポートセールス活動が地方圏の港湾においても活発化している。その結果、現在30数港の地方圏の港湾にアジア域内航路を中心とした外貿コンテナ航路が開設されている。