2 オゾン層保護


 オゾン層の破壊を防止するために、1985年に「オゾン層の保護のためのウィーン条約」、1987年に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が作成された。その後、モントリオール議定書は1990、1992、1995年に改正等による規制強化が図られた。1995年の議定書改正では、先進国については、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、臭化メチルの規制強化等が行われるとともに、途上国についても、新たにすべてのオゾン層破壊物質について規制スケジュールが設定された。
 我が国ではこれらを的確かつ円滑に実施するため、昭和63年、「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」を制定している。また、平成6年4月には関係18省庁による「オゾン層保護対策推進会議」を設置し、7年6月には、「CFC等の回収・再利用・破壊の促進方策」を取りまとめた。これらに沿って、自動車整備時におけるカーエアコンからの特定フロンの大気中への放出の抑制指導及び回収再利用の促進、船舶での特定ハロンの使用抑制の指導等を行うとともに、各種運輸関連施設・設備について脱特定フロン型設備への転換を促進するための税制上の優遇措置等を講じている。
 また、気象庁の観測・解析によれば、7年も6年に引き続き南極で過去最大規模のオゾンホールが観測されるなど、オゾン層の破壊が進行している。このため気象庁は、オゾン層、オゾン層破壊物質及び紫外域日射の観測・監視・解析及び関連の研究〔2−10−2図〕を引き続き推進する。