4 気象情報サービスの高度化の推進


 国民生活の多様化に伴い、気象情報に対する国民の要望は一層高度化、多様化するものと考えられる。このような要望に対処するためには、民間部門も活用し、利用者の個別的目的に適合する局地的な天気情報や、気象情報を基にした付加価値情報等を、様々な情報メディアを活用し個々の利用者の必要に応じて選択的に提供する情報化社会に相応しい気象情報サービスの実現を図っていく必要がある。一方、気象情報は多くの場合防災情報と一体となったものであり、一般の利用に供していくためにはその品質の保証が欠かせない。以上のような観点から、気象審議会は4年3月に「社会の高度情報化に適合する気象サービスのあり方について」を答申し、気象庁からの高度な各種支援データの提供と、予報技術者の資格制度の導入等を前提とする民間気象業務の推進方策を提言した。
 これを受け、5年5月気象業務法が改正され、気象庁からの各種支援データの提供と、気象予報士制度の導入が定められた。これに伴い、6年5月には、(財)気象業務支援センターが各種データの分岐配信等情報提供業務、及び気象予報士試験の事務を担う機関として指定され、上記業務を始め気象庁からの技術移転等、気象庁と民間気象業務を結んだ総合的な気象業務の推進のセンターとしての業務を開始した。
 気象予報士試験は計5回実施され、8年7月現在、総計1,630名の合格者が出ている。
 また、7年5月には予報業務の許可事業者による局地予報の一般への提供が始まり、この業務を中心に情報化社会に向けた民間気象業務も新たな展開が開始された。8年7月現在32の団体等が予報業務の許可を受け事業を実施している。