4 今後の見通しと課題


 (トンネル利用の定着化をめざして)
  これまでのところ,青函トンネルの利用は極めて好調に推移している。アンケート結果から,単純に利用者の利用の見通しの平均をみると,開通前の年間平均利用回数1.7回に比べ,開通後は2.3回になると回答されており,今後の青函トンネルの利用見通しについて多くの人々が今後利用が増加すると考えており,当面は,青函トンネル利用の好調さは持続すると予想される。
  この好調さを一過性のブームに終わらせず長期的に定着させるためには,関係者の不断の努力が不可欠である。また,今後とも青函トンネルの価値を最大限に引き出すためには,需要に対応して青函トンネルに接続する区間を含めて,輸送力の改善を図ることが必要となろう。
  物流の面では,クールコンテナや低床貨車の開発等JRコンテナ輸送の改善により,今後各輸送機関間の競争が激しくなることが予想されるが,基本的には利用者の自由な選択を通じて,各輸送機関の特性が十分発揮できる物流体系が形成されなければならず,これにより,本州・北海道間の物流の活発化を一層推進し,経済,産業の発展につなげていくことが重要である。
  なお,津軽海峡線の開通に伴い,列車本数が増えた江差線及び津軽線の一部において,騒音・振動問題が発生し,現在,JR北海道及びJR東日本においてロングレール化等の防音対策を実施中であるが,今後ともその解決に向けて努力する必要がある。


表紙へ戻る 目次へ戻る 前へ戻る