調査対象とした全てのバス事業者において電子データ形式による情報管理は行われているものの、一部紙データとの混在や、紙データしか存在しない情報項目も存在している。
また、バス事業者内の電子データ形式はダイヤシステム等に依存し、CSV、EXCEL、ACCESS、その他独自のデータベース形式等様々であり、事業者毎に多様である。「公共交通情報データ標準」として定められているXML形式でのデータ管理事例は少ない。(実証実験実施事業者のみの実施。)
全てのバス事業者が時刻表情報等の基本的情報を電子化することの必要性を認識しており、多くの事業者では運行管理システムから情報提供に必要なデータを生成、あるいは変換処理によりデータ整備を行っている。しかし、一部では手作業によりデータを作成している事業者も存在する。
バス事業者が考える今後の公共交通情報提供の展開としては、経路検索機能の拡張、運賃や停留所周辺地図の提供等を通し、利用者ニーズに対する複合的な情報提供サービスの実施といった、積極的な情報内容の充実が考えられている。
一方で、バス情報の企業への販売に対するバス事業者の意識は、現在のところまだ低く、バス利用者への情報提供と、その利便性向上に主眼が置かれている。
公共交通情報提供サービスを円滑に行うためには、バス事業者については、バス情報等の基礎データの標準形式にしたがった電子化整備とその共有化が期待され、情報プロバイダーに対しては経路検索システム等の提供機能の高度化が期待されている。
一方、行政に対しては、系統情報やバス停名称などの統一・標準化、情報提供実施に関する支援等が期待されている。