第2章 海難審判庁のしごと 5/7
第5節 海難審判
 理事官から審判開始の申立があると、海難審判庁は海難審判を行い、海難の原因を究明します。
 地方海難審判庁(第一審)は、審判官3人で構成する合議体と書記並びに理事官が列席し、受審人、指定海難関係人及び補佐人が出廷し、また、必要に応じて証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人にも出頭を求めて、公開の審判廷において、口頭弁論により審理を行い、結論として裁決を言渡します。
 原因の究明が特に困難な事件には、学識経験者2名を参審員として参加させることもあります。
 理事官、受審人及び補佐人は、地方海難審判庁(第一審)の言渡した裁決に対して不服がある場合は、裁決言渡の翌日から7日以内に高等海難審判庁に、第二審の請求をすることができます。高等海難審判庁(第二審)は、審判官5人で構成する合議体により、改めて事実の審理を行って、裁決を言渡します。裁決に対して不服がある場合は、裁決言渡の日から30日以内に、東京高等裁判所に裁決取消の行政訴訟を提起することができます。

* 平成14年に言渡した裁決は、地方海難審判庁が834件(1,259隻)、高等海難審判庁は24件(36隻)でした。
* 裁決取消訴訟事件は東京高等裁判所に2件係属中です。(平成15年6月現在)







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       表紙     海難レポート2003概要版
メッセージ-CONTENTS-外国船の海難-最近の海難審判庁の動き-海難審判庁のしごと-裁決における海難原因-海難分析-資料編
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