特集:海上交通安全法に定める航路における衝突事件
〜海上交通安全法施行から30年〜
 輻輳する海上交通の安全対策として昭和48年(1973年)7月1日に海上交通安全法(以下「海交法」という。)が施行され、今年で30年を迎えました。
 この30年間に、同法に定める11の航路内において発生し、裁決の行われた衝突事件は203件、413隻(平成15年8月まで)となっています。
 これらの衝突事件について分析を行い、30年間の推移から海交法の各航路における衝突の原因、傾向についてみることにします。
 なお、今回は、各航路内で発生した衝突事件を対象としましたが、航路外に当たる出入り口付近では、更に多くの衝突事件が発生しています。
 
(1)海交法の全航路内における裁決の推移
 海交法の全航路内で発生した衝突事件の裁決年での推移をみると、海交法の施行当時から約20年間は4〜8件の裁決が行われていましたが、平成6年頃からは増加の傾向を示し、平成11年の13件を最高に昨年(平成14年)の裁決は5件に減少しています。
 
 
(2)航路別、船種別の衝突事件の特徴
 
 衝突した船種を航路別に見ると、全ての航路で内航貨物船が最も多くなっています。
また、外国船を見ると、来島海峡航路29隻が最も多く、外国船全体の約半数を占め、次いで、備讃瀬戸東航路11隻、浦賀水道航路10隻の順となっています。
 漁船を見ると、備讃瀬戸東航路26隻と漁船全体の約半数を占めています。
 旅客船は、来島海峡航路と明石海峡航路が多くなっています。
 なお、備讃瀬戸東航路と宇高東・西航路との交差部で発生したものは、幹線航路に含めています。
 
航路・船種別の状況 (単位:隻)

 

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