コラム

先行取組自治体山梨県 富士吉田市

vol.17
ワーケーションの風景 ワーケーションの風景 ワーケーションの風景

富士吉田市まるごとサテライトオフィス

日常型ワーケーション

地域課題解決

ワーケーションを取り組み始めた経緯は?

富士吉田市は東京圏から2時間以内でアクセスができ、富士山という世界的な知名度とその景観を活かした非日常感を演出できることから観光地として人気の場所でした。昨今の社会情勢の変化においては、リモートワーカーたちの仕事場所としても選ばれ始めていることを知りました。
そこで、「仕事場所」と「滞在場所」の両方を提供できるワーケーション環境を整備し、リモートワーカーを恒常的に呼び込むことができれば、市内外の人の流れが生まれ、街への賑わいが創出されると考えました。滞在していただくことで地域を気に入ってもらえれば、関係人口の創出や移住・定住にもつながると期待し、ワーケーションを積極的に受け入れています。

山梨県富士吉田市ならではのワーケーションの取組とは?

2018年にサテライトオフィスを設け、多様な働き方を推進しているキャップクラウド株式会社と連携して、2022年度から「富士吉田市まるごとサテライトオフィス」事業に取り組んでいます。これは、富士吉田市をまるごとサテライトオフィス化して日本一働きやすい環境を提供しようとするものです。
具体的には、富士山駅ビルにコワーキングスペース&コミュニケーションハブである「ドットワークPlus」を整備するとともに、市内各所に提携ワークスペースなどを設置し、市内のどこでも働くことができる環境を整えてワーケーションの受入を進めています。専用のコワーキングスペースで集中して働くこともできますし、御師(※)の家に滞在して富士山の歴史を感じながら働くことや、富士急ハイランドでリモートワークをしながら休憩時間にアトラクションに乗る、なんていうことも可能です。
その日の目的や気分に合わせて、様々な選択肢から仕事場所を選べるのが大きな特徴の一つです。

※御師とは、富士山を信仰する人たちへ自宅を宿泊所として提供しながら、登山の準備や食事の提供、信仰者に代わって祈りを捧げるなど、一切合切のお世話をする人々のこと

ワーケーションの取組を続けるにあたって大切なこと、意識していることとは?

富士吉田市は、「日常型ワーケーション」を提唱しており、しっかりと働ける場所を提供することと、働きながらこの街の日常を感じていただけるようにすることを大事にしています。
街なかのカフェや移住相談窓口「よしだの暮らしの相談室」、市役所の展望スペースなどで働くこともでき、リモートワークをしながら街の情報が得られ、住民との交流や、市内を回遊できるような仕組みの構築を目指し、事業を展開しています。

ワーケーションによって生まれた効果は?

滞在をしてもらうことで、観光だけでない富士吉田市の魅力を感じていただけていると思います。また、ワーケーションを利用した企業が地域の方々と関わることで、地域課題解決につながる機会も増えています。例えばリソースを持ち寄り、移住者と来訪企業とでイベント企画が生まれたり、放置されていた空き家に可能性を見出した企業が活用方法を提案してくれたり、今後事業化が期待できるようなものが徐々に生まれています。
今後はIT人材育成事業の実施を予定しており、市内外の交流を生みながら、新たなビジネスの創出や企業の人材獲得につなげ、サテライトオフィスの誘致にもより一層取り組んでいきたいと思います。

DATA

名称
山梨県 富士吉田市地域振興・移住定住課
所在地
山梨県富士吉田市下吉田6-1-1
ワーケーションに取り組み始めた年
2022年(地域振興・移住定住課)

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