(2)水道水温による給湯関連の負荷発生量の地域差
1) 検討手法
各地域の水道水温のデータから、給湯に関連する環境負荷である一次エネルギー消費量、CO2排出量、広域NOx排出量を各地域で推計する。なお、給湯手法はいずれの地域でも同じくガス給湯器を想定している。
水道水温は、各府県の浄水場での水温の平均値をもって、新都市が立地した場合の水道水温と仮定して推計を行った。各地域における水道水温の平均値を表4.5に示す。
対象地域 | 地域名 | 平均水温(℃) |
---|---|---|
北東地域 | 宮城県 | 13.5 |
北東地域 | 福島県 | 15.2 |
北東地域 | 栃木県 | 16.0 |
北東地域 | 茨城県 | 16.9 |
中央地域(東海地域) | 岐阜県 | 14.7 |
中央地域(東海地域) | 愛知県 | 18.1 |
中央地域(東海地域) | 静岡県 | 16.8 |
中央地域(三重・畿央地域) | 三重県 | 15.3 |
中央地域(三重・畿央地域) | 畿央地域 | 16.8 |
(注) 「水道統計 第77-2号(平成6年度)/(社)日本水道協会」のデータを基に算定
注) 水温は、ダム、河川水、地下水、湖沼等の水源の種類に大きく左右されるが、各地域に立地した場合の水道水源を現時点で特定することは困難である。ここでは、各対象地域の県内の浄水場の水温の平均値を用いて推計を行った。他県からの広域的な水道事業からの供給が行われる可能性もあり、ここで推定した水道水温が実際と異なる可能性がある。
2) 検討結果
(1)一次エネルギー消費量
最小(愛知)と最大(宮城)で、2,200〜2,420Gcal/日と、給湯による一次エネルギー消費量の地域差は、約1.10倍(差異は10%)の範囲内にあると試算された。
図4.2 各地域の給湯による一次エネルギー消費量の試算結果
(2)CO2排出量、広域NOx排出量(=地域NOx排出量)
給湯の機器は、ガス式給湯器(ボイラ)を標準ケースとして想定しており、給湯需要によるCO2排出量、NOx排出量の地域差は、相対的に一次エネルギー消費量と同様な関係にあると試算される。