(3) 新都市全体における環境負荷発生量の地域差
1) 検討手法
これまでに検討した各地域における「冷暖房需要による環境負荷発生量」と「給湯需要による環境負荷発生量」に照明等電力や交通等による環境負荷を合わせて、新都市全体における環境負荷発生量(一次エネルギー消費量、CO2排出量、広域NOx排出量)の地域差を検討した。ここで、照明等電力については気候等の違いによる地域差はないものと仮定し、交通については広域レベルでの検討が困難なため、全地域同量として検討した。
2) 検討結果
(1)一次エネルギー消費量
都市全体の一次エネルギー消費量で評価すると、冷暖房および給湯による地域差は最小(静岡)と最大(岐阜)で、21,880〜22,890Gcal/hと各地域の一次エネルギー消費量は、約1.046倍(差異は4.6%)の範囲内にある。給湯に与える水道水温の影響よりは、冷暖房負荷の影響が大きい。
(注)( )内は平均を100とした時の値
図4.3 各地域の一次エネルギー消費量の地域差の試算結果
(2)CO2排出量
CO2排出量について、都市全体での排出量を合わせて評価すると冷暖房、給湯による地域差は、最小(静岡)と最大(岐阜)で、1,210〜1,250t-C/日と、約1.033倍(差異は3.3%)の範囲内にある。
(3)広域NOx発生量
広域NOx発生量について、都市全体での排出量を合わせて評価すると冷暖房、給湯による地域差は、最小(静岡)と最大(福島、岐阜)で、5.40〜5.49t-NO2/日と、約1.017倍(差異は1.7%)の範囲内にある。