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環境負荷に係る検討について

(2) 風力発電の活用適性
風力発電は一般的に小型(まちのシンボル的利用)と、大型(発電事業等の規模)に分けられる。小型はシンボル的な利用としては価値があるが、エネルギー源として活用するためには大型(概ね300kW(キロワット)以上)の風力発電が有効である。
発電量は、風況に左右され、目安として年平均風速5〜6m以上の箇所で有望と言われている。
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)による全国を対象とした地上高30m地点の年平均風速の推計によれば、検討対象地域の中では、幾央地域の鈴鹿山脈、布引山地等、また静岡県の海岸線沿い、愛知県・岐阜県の一部である美濃三河高原に、風速階級5〜6m/秒以上の地区が若干含まれている他は、いずれの地域でも多くは、4m/秒未満のいわゆるウィンドファーム(大型の風力発電機を一定の地域内に集中的に立地させた施設)等の建設等には適さない風速階級の地域とされている。
(注)備考
電力が基本的に広域ネットワークで構成されていることを踏まえると、コージェネレーション、太陽光発電等の分散型の電源ではないウィンドファームについては、新都市から離れた地域に建設することも可能であり、風力発電によるCO2排出削減等の効果は得られる。

(3) 自転車交通の導入適性
国会等移転調査会報告にも記されているように、新都市では歩行者空間の充実や自転車の活用等について積極的に検討することが必要であり、これは環境負荷の削減にも大きく関係すると考えられる。
都市内交通は、都市のつくり方によるところも大きいが、ここでは傾斜に着目して、自転車交通の積極的な導入に対する適性を概略的に把握した。
具体的には、自転車専用道の設計基準を参考に、適性が高い地域として、傾斜が3度を下回る地域のまとまった分布を把握した。

表4.17 勾配(最大傾斜度)からみた自転車利用の容易性
区分 地区特性
北東地域(宮城県) 角田市付近の阿武隈川付近には比較的平坦な地域が存在する。
北東地域(福島県) 郡山、須賀川付近等の阿武隈川付近にわずかに比較的平坦な地域がまとまって存在する。
北東地域(栃木県) 那須野ヶ原台地と県南東部の平野部には、比較的平坦な地域がまとまって存在する。
北東地域(茨城県) 調査対象地域南部には平坦な地域がまとまって存在する。
中央地域-東海地域(岐阜県) 自転車活用が適する平坦な地域がまとまった地域は存在しない。
中央地域-東海地域(愛知県) 豊橋平野付近等に部分的に比較的平坦な地域がまとまって存在する。
中央地域-東海地域(静岡県) 天竜川や遠州灘付近には比較的平坦な地域がまとまって存在する。
中央地域-三重・畿央(三重県) 伊勢湾沿いの一部に、比較的平坦な地域が存在する。
中央地域-三重・畿央(畿央地域) 琵琶湖付近に比較的平坦な地域がまとまって存在するほか、上野盆地等に平坦な地域が存在する。

*参考:勾配による自動車の燃費への影響について
建設省土木研究所の調査(1980)による自動車の走行燃費予測モデルによると、勾配1%当り燃費約1.4km(キロメートル)/l(リットル)の減少になることが示されている。道路構造によっても走行燃費は大きく左右されることから、具体的推計は困難であるが、勾配の多い地域では自転車交通の導入適性が低いばかりでなく、自動車の燃費も悪化する。

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